刑事訴訟法 第142問
教材: 刑事訴訟法①
司法試験 H22 第37問
論点: 管轄
問題
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【見解】
Ⅰ.起訴状に記載された訴因並びに罪名及び罰条により判断する。
Ⅱ.裁判所が心証を形成した事実により判断する。
【事例】
検察官は、故意に被害者を殴打してその結果死亡させた事実で、被告人を傷害致死罪によりX地方裁判所に起訴したが、X地方裁判所は、公判審理の途中で、被告人が過って被害者を死亡させた事実と認定できず、過失致死罪が成立するとの心証を形成した。なお、傷害致死罪の管轄は、地方裁判所に、また、過失致死罪の管轄は、簡易裁判所にだけある。
公式解答
1. アウオ
正誤・解説
I /
Ⅰの考え方では、検察官が過失致死罪に訴因を変更しない場合には、X地方裁判所において、傷害致死罪につき、無罪の判決を言い渡すことになる。
Ⅰは起訴状記載の訴因等で管轄を判断する立場。過失致死罪へ訴因変更しなければ、管轄のない簡易裁判所へ移れないため、傷害致死罪については無罪となる。
根拠条文:同条・e-Govを開く
II /
Ⅰの考え方では、検察官が過失致死罪に訴因を変更しない場合には、X地方裁判所において、管轄違いの判決を言い渡すことになる。
Ⅰの立場では、過失致死罪へ変更しない限り、管轄違いではなく、傷害致死罪について無罪を言い渡す。管轄違いの判決とはならない。
III /
Ⅰの考え方では、X地方裁判所が検察官による過失致死罪への訴因の変更を許可した場合には、X地方裁判所において、管轄違いの判決を言い渡すことになる。
Ⅰでも訴因変更が許可されると、過失致死罪で判断することになる。過失致死罪の管轄は簡易裁判所のみなので、地方裁判所では管轄違いとなる。
IV /
Ⅱの考え方では、X地方裁判所が検察官による過失致死罪への訴因の変更を許可した場合には、X地方裁判所において、過失致死罪につき、有罪の判決を言い渡すことになる。
Ⅱは裁判所が心証を形成した事実で管轄を判断する立場。過失致死罪の心証を形成しても、簡易裁判所の専属管轄である以上、地方裁判所で有罪とはならない。
V /
Ⅱの考え方では、検察官が過失致死罪に訴因を変更しない場合には、X地方裁判所において、管轄違いの判決を言い渡すことになる。
Ⅱでは、心証上は過失致死罪と判断され、その管轄は簡易裁判所のみなので、地方裁判所では管轄違いとなる。訴因変更の有無は結論に影響しない。
VI /
Ⅱの考え方では、検察官が過失致死罪に訴因を変更しない場合には、X地方裁判所において、傷害致死罪につき、無罪の判決を言い渡すことになる。
Ⅱは心証形成した事実で管轄を判断するため、傷害致死罪のまま無罪とはならず、過失致死罪の管轄問題が生じる。
全体要旨
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