刑事訴訟法 第95問
教材: 刑事訴訟法①
予備試験 R06 第22問
論点: 捜索・差押え
問題
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【事例】
司法警察員Xは、甲が自宅において覚醒剤を密売しているとの被疑事実により、捜索すべき場所を甲宅、差し押さえるべき物を覚醒剤、パソコン等とする捜索差押許可状(以下「本件許可状」という。)の発付を受けて、甲宅に赴いた。甲宅には、甲のみが在宅していたところ、Xは、甲に本件許可状を呈示した上で、甲宅に立ち入り、日没前から①甲を立会人として検索を開始した。甲宅の捜索を実施中、甲と同居する母親Aが帰宅したため、②Xは、Aが許可なく甲宅へ立ち入ることを禁止した。Xは、甲が覚醒剤密売の顧客リストをパソコンに保存しているとの情報を基に捜索を進めていたところ、甲宅リビングルームのテーブルの上にパソコン1台を発見し、③同パソコンを差し押さえた。その後もXは、捜索の必要があると判断し、④本件許可状に「夜間でも執行することができる」旨の記載がなかったものの、日没後も捜索を継続した。その後、宅配便の配達員によって甲宛ての小包が配達されたことから、甲は、甲宅内でこれを受領した。Xは、甲に対して開封を求めたが、甲がこれを拒否したため、⑤Xにおいて同小包を開封したところ、覚醒剤が発見されたことから、これを差し押さえた。
公式解答
1. ア ウ
正誤・解説
ア /
下線部①につき、仮に甲宅に誰も在宅していなかった場合でも、甲宅の隣人を立会人として捜索することができる。
222条1項本文は、住居等の捜索差押えでは住居主・看守者またはこれらに代わるべき者を立ち会わせるのが原則で、立ち会わせられないときは隣人や地方公共団体の職員を立ち会わせることができる。
根拠条文:刑事訴訟法222条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法114条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法222条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法222条第1項―現行条文本文
第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十五条、第百十八条、第百十九条、第百二十条第一項、第百二十一条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項から第三項まで並びに第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)について、第百五条の二、第百十条、第百十一条第三項、第百二十条第二項及び第三項並びに第百二十三条の二第一項の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)について、第百十条、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。
ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
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刑事訴訟法114条―現行条文本文
第百十四条
公務所内で差押状又は捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。
前項の規定による場合を除き、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状又は捜索状の執行をするときは、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代わるべき者をこれに立ち会わせなければならない。
これらの者を立ち会わせることができないときは、隣人又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。
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刑事訴訟法222条第3項―現行条文本文
第百十六条及び第百十七条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする差押え又は捜索について準用する。
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イ /
下線部②につき、Aは甲宅の居住者であるため、Aが許可なく甲宅に立ち入るのを禁止することは違法である。
112条1項により、捜索差押え等の執行中は、何人に対しても許可なくその場所に出入りすることを禁止できる。居住者であるAであっても例外ではない。
根拠条文:刑事訴訟法222条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法112条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法112条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法222条第1項―現行条文本文
第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十五条、第百十八条、第百十九条、第百二十条第一項、第百二十一条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項から第三項まで並びに第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)について、第百五条の二、第百十条、第百十一条第三項、第百二十条第二項及び第三項並びに第百二十三条の二第一項の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)について、第百十条、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。
ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
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刑事訴訟法112条―現行条文本文
第百十二条
差押状又は捜索状の執行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。
前項の禁止に従わない者は、これを退去させ、又は執行が終わるまでこれに看守者を付することができる。
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刑事訴訟法112条第1項―現行条文本文
差押状又は捜索状の執行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。
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ウ /
下線部③につき、当該パソコンに覚醒剤密売の顧客リストが記録されている蓋然性があり、その場で確認していたのではその情報を損壊される危険があると認められる場合は、内容を確認することなく当該パソコンを差し押さえることも許される。
判例は、被疑事実に関する情報が記録されている蓋然性があり、その場で確認すると情報が損壊される危険があるときは、内容確認前でも差押えを認める。
エ /
下線部④につき、本件許可状に「夜間でも執行することができる」旨の記載がないことから、日没後に捜索を継続することは違法である。
222条3項は、日没前に着手した捜索等は日没後もその処分を継続できるとする。夜間執行の記載がないから直ちに違法とはならない。
根拠条文:刑事訴訟法222条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法222条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法116条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法222条第1項―現行条文本文
第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十五条、第百十八条、第百十九条、第百二十条第一項、第百二十一条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項から第三項まで並びに第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)について、第百五条の二、第百十条、第百十一条第三項、第百二十条第二項及び第三項並びに第百二十三条の二第一項の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)について、第百十条、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。
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刑事訴訟法116条―現行条文本文
第百十六条
日出前、日没後には、令状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、差押状又は捜索状の執行のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることはできない。
日没前に差押状又は捜索状の執行に着手したときは、日没後でも、その処分を継続することができる。
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オ /
下線部⑤につき、本件許可状の効力はその呈示後に甲宅に搬入された物品には及ばないため、当該小包を開封したことは違法である。
判例は、令状の効力は呈示後に搬入された物品にも及び得るとし、宅配便で届いた小包の開披・差押えも肯定している。
全体要旨
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