刑事訴訟法 第87問
教材: 刑事訴訟法①
予備試験 R05 第17問
論点: 逮捕に伴う捜索差押え
問題
問題画像


抽出問題文を表示
【見解】
Ⅰ.逮捕の現場には証拠の存在する蓋然性が一般的に高いため、裁判官による事前の令状審査を行う必要性がないことを根拠とする見解
Ⅱ.逮捕の際には被逮捕者により証拠が隠滅されるおそれが高いため、これを防止して証拠を保全する緊急の必要性があることを根拠とする見解
【記述】
ア.Ⅰの見解に立っても、Ⅱの見解に立っても、捜索差押えの対象となる証拠は、逮捕の理由とされた被疑事実と関連する物に限られる。
イ.Ⅰの見解に立つと、捜索差押えをすることができるのは、証拠が存在する蓋然性が一般的に高いと認められる場所においてであると考えることになるため、逮捕が被疑者の隣人方でなされた場合、当該隣人方のほか、被疑者方でも捜索差押えを実施することができる。
ウ.Ⅰの見解に立っても、逮捕が被疑者ではない第三者の住居でなされた場合、逮捕の理由とされた被疑事実に関する証拠の存在を認めるに足りる状況がなければ、当該住居で捜索差押えを実施することは違法であり、許されない。
エ.Ⅱの見解に立つと、捜索差押えをすることができるのは、逮捕の際に被疑者が証拠を隠滅することが可能な場所においてであると考えることになるため、逮捕が被疑者方の一室でなされた場合、捜索差押えができるのは、逮捕がなされた時点で被疑者の手が届く場所に限られ、当該一室全体において実施することはできると考えられない。
オ.Ⅱの見解に立つと、捜索差押えの要件として、被逮捕者が証拠を隠滅する具体的な危険が認められることが要求されることになる。
公式解答
1. ア ウ
正誤・解説
I /
逮捕の現場には証拠の存在する蓋然性が一般的に高いため、裁判官による事前の令状審査を行う必要性がないことを根拠とする見解
解説で「ア.○」「本肢記載のとおり」とされている。Ⅰの見解は、逮捕現場で証拠存在の蓋然性が高く、事前の令状審査を要しないことを根拠とする趣旨である。
根拠条文:刑事訴訟法220条第1項第2号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法220条第1項第2号―現行条文本文
二 逮捕の現場で差押、捜索又は検証をすること。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
II /
逮捕の際には被逮捕者により証拠が隠滅されるおそれが高いため、これを防止して証拠を保全する緊急の必要性があることを根拠とする見解
解説でⅡは正しい見解として扱われている。逮捕に伴う証拠隠滅のおそれと、これを防ぐための緊急性を根拠とする立場である。
根拠条文:刑事訴訟法220条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法220条第3項―現行条文本文
第一項の処分をするには、令状は、これを必要としない。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
A /
Ⅰの見解に立っても、Ⅱの見解に立っても、捜索差押えの対象となる証拠は、逮捕の理由とされた被疑事実と関連する物に限られる。
解説で○。逮捕に伴う捜索差押えは、逮捕の理由とされた被疑事実に関連する証拠に限られる。
B /
Ⅰの見解に立つと、捜索差押えをすることができるのは、証拠が存在する蓋然性が一般的に高いと認められる場所においてであると考えることになるため、逮捕が被疑者の隣人方でなされた場合、当該隣人方のほか、被疑者方でも捜索差押えを実施することができる。
解説で×。Ⅰでも、検索対象は逮捕現場の管理権及び範囲に限られるので、隣人方で逮捕されたからといって被疑者方まで当然に捜索できるわけではない。
C /
Ⅰの見解に立っても、逮捕が被疑者ではない第三者の住居でなされた場合、逮捕の理由とされた被疑事実に関する証拠の存在を認めるに足りる状況がなければ、当該住居で捜索差押えを実施することは違法であり、許されない。
解説で○。第三者宅での逮捕では、その住居で証拠存在を認めるに足りる状況がなければ、その住居内での捜索差押えは許されないとされている。
根拠条文:刑事訴訟法222条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法102条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法222条第1項―現行条文本文
第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十五条、第百十八条、第百十九条、第百二十条第一項、第百二十一条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項から第三項まで並びに第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)について、第百五条の二、第百十条、第百十一条第三項、第百二十条第二項及び第三項並びに第百二十三条の二第一項の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)について、第百十条、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。
ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑事訴訟法102条第2項―現行条文本文
被告人以外の者の身体、物又は住居その他の場所については、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
D /
Ⅱの見解に立つと、捜索差押えをすることができるのは、逮捕の際に被疑者が証拠を隠滅することが可能な場所においてであると考えることになるため、逮捕が被疑者方の一室でなされた場合、捜索差押えができるのは、逮捕がなされた時点で被疑者の手が届く場所に限られ、当該一室全体において実施することはできると考えられない。
解説で×。Ⅱでも、被疑者の手が届く場所に限定されるわけではなく、その一室全体について捜索差押えができる余地があると説明されている。
E /
Ⅱの見解に立つと、捜索差押えの要件として、被逮捕者が証拠を隠滅する具体的な危険が認められることが要求されることになる。
解説で×。Ⅱの見解は抽象的な危険を根拠とするもので、具体的危険の存在までは要件としない。
全体要旨
解説画像


自己評価
問題時間・解説時間は、 別ページへ移動した時点で確定します。
学習メモ
入力中の内容はこの端末へ自動的に下書き保存されます。 「メモを保存」を押すと改訂履歴へ追加し、 ログイン中はSupabaseへ同期します。
メモの保存履歴
過去版を編集欄へ復元しただけでは下書きです。 「メモを保存」を押すと新しい版として保存されます。