刑事訴訟法 第60問
教材: 刑事訴訟法①
司法試験 H19 第22問
論点: 勾留の要件
問題
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公式解答
4
正誤・解説
p1 /
刑事訴訟法第60条第1項第2号に定める「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」の「罪証」とは、犯罪の成否に関する証拠を意味するので、犯罪の成立自体については、既に証拠が収集されていて証拠隠滅の余地がなく、犯罪の動機に関する証拠にのみ隠滅のおそれがある場合には、同号の要件を満たすことにはならない。
「罪証」には、犯罪の成否に関する証拠だけでなく、状況に関する事実のうち犯情事実(動機・行為態様・結果)も含まれる。したがって、犯罪成立部分の証拠が尽きていても、動機に関する証拠の隠滅のおそれがあれば足りる。
根拠条文:刑事訴訟法60条第1項第2号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法60条第1項第2号―現行条文本文
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
被疑者の勾留の期間は、勾留の請求をした日から10日間であるが、裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、1回に限り、その期間を延長することができる。
被疑者勾留の期間は10日間だが、延長は「1回に限り」ではなく、要件を満たす場合に「通じて10日を超えない」範囲で可能とされる。設問は延長回数の点で誤り。
根拠条文:刑事訴訟法208条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法60条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法208条第1項―現行条文本文
第二百七条の規定により被疑者を勾留した事件につき、勾留の請求をした日から十日以内に公訴を提起しないときは、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
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刑事訴訟法60条第2項―現行条文本文
勾留の期間は、公訴の提起があつた日から二箇月とする。
特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、一箇月ごとにこれを更新することができる。
但し、第八十九条第一号、第三号、第四号又は第六号にあたる場合を除いては、更新は、一回に限るものとする。
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p3 /
検察官は、逮捕勾留されていない被疑者について公訴を提起する際、勾留請求権に基づいて、裁判官にその勾留を請求することができる。
勾留請求権は検察官にあり、裁判官に対して勾留を請求するのは検察官である。設問は「勾留請求権に基づいて」という点の表現が不適切で、内容としても被疑者勾留と公訴提起の関係を誤っている。
根拠条文:刑事訴訟法60条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法207条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法60条第1項―現行条文本文
裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
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刑事訴訟法207条第1項―現行条文本文
前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
但し、保釈については、この限りでない。
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p4 /
第一審裁判所が犯罪の証明がないことを理由として無罪の判決を言い渡した場合であっても、控訴裁判所は、記録等の調査により、前記無罪判決の理由の検討を経た上でもなお罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、勾留の理由があり、かつ、控訴審における適正、迅速な審理のためにも勾留の必要性があると認める限り、その審理の段階を問わず、被告人を勾留することができる。
無罪判決後でも、控訴裁判所が記録等を調査し、なお罪を犯したと疑うに足りる相当な理由と勾留の必要性があると認める限り、控訴審の段階を問わず勾留できる。
根拠条文:刑事訴訟法60条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法60条第1項―現行条文本文
裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
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p5 /
少年の刑事事件については、その健全な育成を期するという見地から、定まった住居を有する少年の被疑者を勾留することはできない。
少年事件でも、少年法上は一定の場合に検察官の勾留請求が制限されるが、一般に定まった住居があることだけで直ちに勾留できないわけではない。やむを得ない場合には勾留可能。
根拠条文:少年法40条・e-Govを開く少年法43条第3項・e-Govを開く少年法48条第1項・e-Govを開く刑事訴訟法60条第1項・e-Govで法令を開く
少年法40条―現行条文本文
第四十条 (準拠法例)
少年の刑事事件については、この法律で定めるものの外、一般の例による。
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少年法43条第3項―現行条文本文
検察官は、少年の被疑事件においては、やむを得ない場合でなければ、裁判官に対して、勾留を請求することはできない。
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少年法48条第1項―現行条文本文
勾留状は、やむを得ない場合でなければ、少年に対して、これを発することはできない。
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刑事訴訟法60条第1項―現行条文本文
裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
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