刑事訴訟法 第50問
教材: 刑事訴訟法①
司法試験 H26 第23問
論点: 逮捕・勾留の要件
問題
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【事例】
司法巡査は、「路上で人がバットで殴られている。」旨の110番通報に基づき、事件現場に急行したところ、現場到着時に犯人が逃走していたことから、傷害を負った被害者から被害状況や犯人の服装・体格等を聴取し、犯人の探索を開始した。司法巡査は、事件発生の約30分後に事件現場から約500メートル離れた路上において、被害者が供述した犯人の服装・体格と一致する人物甲がバットを持って歩いているのを認め、甲に「ちょっと待って。」と声を掛けて停止を求めた。すると、甲が直ちに逃走を開始したため、司法巡査は甲を追跡し、甲を傷害罪の準現行犯人として逮捕した。甲は、逮捕翌日に、傷害罪により検察官に送致された。
【記述】
公式解答
3
正誤・解説
p1 /
司法巡査は、甲を準現行犯人として逮捕するに当たり、甲に逮捕の理由を告げなければならない。
準現行犯逮捕で理由告知義務があるのは、逮捕の実行を受ける司法警察員であると説明されている。司法巡査はその点で当たらないため、当該記述は誤り。
根拠条文:刑事訴訟法203条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法203条第1項―現行条文本文
司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲が司法巡査から「ちょっと待って。」と声を掛けられて直ちに逃走を開始したことは、「誰何されて逃走しようとするとき。」(刑事訴訟法第212条第2項第4号)に該当する。
解説は、本件のように声を掛けられた後に直ちに逃走した場合は、誰何されて逃走しようとするときに当たるとしている。
根拠条文:刑事訴訟法212条第2項第4号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法212条第2項第4号―現行条文本文
四 誰何されて逃走しようとするとき。
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p3 /
甲の逮捕後、勾留請求前の時点で本件が強盗目的で敢行されたと疑うに足りる相当な理由が生じた場合には、検察官は、強盗致傷罪で勾留請求することが可能である。
同一事実の範囲内であり、公訴事実の同一性が認められるため、傷害罪で逮捕後でも強盗致傷罪で勾留請求し得ると説明されている。
根拠条文:刑事訴訟法312条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法312条第1項―現行条文本文
裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p4 /
甲を傷害罪で勾留した後、本件が強盗目的で敢行された疑いが生じた場合であっても、強盗目的であったことの捜査のために勾留期間を延長することは許されない。
解説は、やむを得ない事由があれば、強盗目的であったかの捜査のために勾留期間を延長し得るとしている。よって、全面的に否定する本肢は誤り。
根拠条文:刑事訴訟法208条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法208条第2項―現行条文本文
裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、前項の期間を延長することができる。
この期間の延長は、通じて十日を超えることができない。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p5 /
甲を傷害罪で勾留した後、甲が「強盗目的で事件を起こした。」旨自供した場合には、傷害罪による勾留中に強盗致傷罪で逮捕しても適法である。
同一事件についての逮捕・勾留は原則として一回しかできず、傷害罪で勾留中に同一事件として強盗致傷罪で再逮捕することはできないとされている。
全体要旨
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