刑事訴訟法 第17問
教材: 刑事訴訟法①
予備試験 R01 第15問
論点: 令状
問題
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ア 捜査機関は、逮捕状により被疑者を逮捕する場合において、被疑者を捜索するため人の住居に入る必要があるときは、住居を対象とする捜索許可状がなくても、その住居に入ることができる。
イ 捜査機関が捜索差押許可状により人の住居を捜索する場合において、差し押さえるべき物が短時間のうちに破棄隠匿されるおそれがあり、捜索差押えの実効性を確保するためにやむを得ないと認められるときは、令状を呈示することなくその住居に入った後、直ちに令状を呈示して捜索をすることができる。
ウ 捜査機関が捜索差押許可状により人の住居を捜索する場合において、急速を要するときは、令状に夜間でも捜索することができる旨の記載がなくても、日没後にその住居に入り捜索をすることができる。
エ 捜査機関の嘱託により鑑定を行う者が、鑑定のため人の住居に入る必要があるときは、自ら裁判官に令状を請求し、その発付を受けて、その住居に入ることができる。
オ 捜査機関が人の住居に入りその内部の状態を五官の作用により認識する処分は、住居主の承諾がある場合であっても、これを令状なく行うことは許されず、検証許可状の発付を受けて行わなければならない。
公式解答
1. ア イ
正誤・解説
ア /
捜査機関は、逮捕状により被疑者を逮捕する場合において、被疑者を捜索するため人の住居に入る必要があるときは、住居を対象とする捜索許可状がなくても、その住居に入ることができる。
刑訴法220条1項柱書は、199条・210条による逮捕の際、必要があれば左の処分ができるとし、1号で「人の住居…に入り被疑者の捜索」を挙げ、同条3項で令状不要としている。
根拠条文:刑事訴訟法220条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法220条第1項第1号・e-Govで法令を開く刑事訴訟法220条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法220条第1項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、第百九十九条の規定により被疑者を逮捕する場合又は現行犯人を逮捕する場合において必要があるときは、左の処分をすることができる。
第二百十条の規定により被疑者を逮捕する場合において必要があるときも、同様である。
一 人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り被疑者の捜索をすること。
二 逮捕の現場で差押、捜索又は検証をすること。
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刑事訴訟法220条第1項第1号―現行条文本文
一 人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り被疑者の捜索をすること。
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刑事訴訟法220条第3項―現行条文本文
第一項の処分をするには、令状は、これを必要としない。
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イ /
捜査機関が捜索差押許可状により人の住居を捜索する場合において、差し押さえるべき物が短時間のうちに破棄隠匿されるおそれがあり、捜索差押えの実効性を確保するためにやむを得ないと認められるときは、令状を呈示することなくその住居に入った後、直ちに令状を呈示して捜索をすることができる。
最決平成14年10月4日【百選A5】は、捜索差押許可状の執行は原則として先に呈示すべきだが、令状執行前の呈示が実効性確保のためやむを得ない場合には、入室後ただちに呈示して捜索できるとした。
根拠条文:刑事訴訟法222条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法110条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法222条第1項―現行条文本文
第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十五条、第百十八条、第百十九条、第百二十条第一項、第百二十一条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項から第三項まで並びに第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)について、第百五条の二、第百十条、第百十一条第三項、第百二十条第二項及び第三項並びに第百二十三条の二第一項の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)について、第百十条、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。
ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
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刑事訴訟法110条―現行条文本文
第百十条
差押状又は捜索状は、処分を受ける者にこれを示さなければならない。
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ウ /
捜査機関が捜索差押許可状により人の住居を捜索する場合において、急速を要するときは、令状に夜間でも捜索することができる旨の記載がなくても、日没後にその住居に入り捜索をすることができる。
令状による夜間執行は、原則として日没後・日出前に執行する場合は令状に夜間執行可の記載が必要で、急速を要するだけでは足りない。例外的に日没前着手なら日没後も継続可能。
根拠条文:刑事訴訟法222条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法116条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法116条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法222条第3項―現行条文本文
第百十六条及び第百十七条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする差押え又は捜索について準用する。
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刑事訴訟法116条第1項―現行条文本文
日出前、日没後には、令状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、差押状又は捜索状の執行のため、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入ることはできない。
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刑事訴訟法116条第2項―現行条文本文
日没前に差押状又は捜索状の執行に着手したときは、日没後でも、その処分を継続することができる。
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エ /
捜査機関の嘱託により鑑定を行う者が、鑑定のため人の住居に入る必要があるときは、自ら裁判官に令状を請求し、その発付を受けて、その住居に入ることができる。
鑑定嘱託を受けた者は、捜査機関の請求により裁判官が発付した令状で住居に入れるが、自ら裁判官に令状請求することはできない。
根拠条文:刑事訴訟法223条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法225条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法225条第2項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法168条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法223条第1項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。
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刑事訴訟法225条第1項―現行条文本文
第二百二十三条第一項の規定による鑑定の嘱託を受けた者は、裁判官の許可を受けて、第百六十八条第一項に規定する処分をすることができる。
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刑事訴訟法225条第2項―現行条文本文
前項の許可の請求は、検察官、検察事務官又は司法警察員からこれをしなければならない。
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刑事訴訟法168条第1項―現行条文本文
鑑定人は、鑑定について必要がある場合には、裁判所の許可を受けて、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り、身体を検査し、死体を解剖し、墳墓を発掘し、又は物を破壊することができる。
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オ /
捜査機関が人の住居に入りその内部の状態を五官の作用により認識する処分は、住居主の承諾がある場合であっても、これを令状なく行うことは許されず、検証許可状の発付を受けて行わなければならない。
住居主の承諾がある場合には、強制処分としての検証に当たらず、検証許可状は不要とされる。強制的に入って五官で認識する場合に令状が問題となる。
根拠条文:刑事訴訟法218条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法218条第1項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、捜索、電磁的記録提供命令又は検証をすることができる。
この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。
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全体要旨
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