刑事訴訟法 第14問
教材: 刑事訴訟法①
司法試験 H22 第23問
論点: 令状の要否
問題
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【事例】司法警察員Xは、被疑者甲に係る大麻取締法違反(大麻所持)被疑事件に関し、被疑者甲が一人で居住するアパートの居室を捜索すべき場所とし、大麻及び大麻吸引具を差し押さえるべき物とする捜索差押許可状に基づき、その居室を捜索した。その際、被疑者甲は、その居室にいた。司法警察員Xは、その捜索において、大麻及び大麻吸引具を発見することができなかったが、ポーチに入った覚せい剤様の白色結晶や、血液の混じったような液体が入った注射器を発見した。そのため、司法警察員Xは、(①)前記白色結晶につき、覚せい剤の予試験を実施したところ、覚せい剤であるとの試験結果が得られた。そこで、司法警察員Xは、(②)被疑者甲を覚せい剤取締法違反の被疑事実で逮捕し、(③)前記白色結晶を押収するとともに、(④)前記ポーチ及び前記注射器を押収した。また、司法警察員Xは、(⑤)被疑者甲が任意に尿を提出したので、これを押収した。さらに、司法警察員Xは、採血を拒否した被疑者甲の血液型を明らかにするため、被疑者甲をH病院に連れて行き、(⑥)H病院の医師Yをして、被疑者甲の採血をさせた。
公式解答
6. エ カ
正誤・解説
p1 /
下線部①について、被疑者甲が予試験の実施に同意をしていれば、司法警察員Xは、裁判官による令状の発付を受けなくても、覚せい剤の予試験を実施できる。
説明では、甲が同意していれば予試験は令状なしで可能としている。
p2 /
下線部②について、被疑者を逮捕するに当たり、司法警察員Xは、裁判官による令状の発付を受ける必要がない。
説明では、現行犯逮捕に当たるので令状不要としている。
根拠条文:刑事訴訟法213条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法213条―現行条文本文
第二百十三条
現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。
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p3 /
下線部③について、白色結晶を押収するに当たり、司法警察員Xは、裁判官による令状の発付を受ける必要がない。
説明では、白色結晶は犯罪事実と関連性のある証拠物として差押えでき、現場での差押えに令状は不要としている。
根拠条文:刑事訴訟法222条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法199条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法218条第5項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法222条第1項―現行条文本文
第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十五条、第百十八条、第百十九条、第百二十条第一項、第百二十一条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項から第三項まで並びに第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)について、第百五条の二、第百十条、第百十一条第三項、第百二十条第二項及び第三項並びに第百二十三条の二第一項の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)について、第百十条、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。
ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
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刑事訴訟法199条第1項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。
ただし、三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
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刑事訴訟法218条第5項―現行条文本文
第一項の令状は、検察官、検察事務官又は司法警察員の請求により、これを発する。
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p4 /
下線部④について、ポーチ及び注射器を押収するに当たり、司法警察員Xは、裁判官による令状の発付を受ける必要がある。
説明では、ポーチと注射器も証拠物であり、現場で差し押さえるのに令状は不要としている。
根拠条文:刑事訴訟法222条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法99条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法222条第1項―現行条文本文
第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十五条、第百十八条、第百十九条、第百二十条第一項、第百二十一条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項から第三項まで並びに第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)について、第百五条の二、第百十条、第百十一条第三項、第百二十条第二項及び第三項並びに第百二十三条の二第一項の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)について、第百十条、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。
ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
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刑事訴訟法99条第1項―現行条文本文
裁判所は、必要があるときは、証拠物又は没収すべき物と思料するものを差し押えることができる。
ただし、特別の定めのある場合は、この限りでない。
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p5 /
下線部⑤について、被疑者甲が任意に尿を提出しなかった場合でも、司法警察員Xは、捜索差押許可状の発付を受けて、医師をして被疑者甲から強制的に採尿をさせることができる。
説明では、強制採尿は捜索差押えの性質を有し、捜索差押許可状だけで足りず、適法な法定手続が必要としている。
p6 /
下線部⑥について、医師Yをして被疑者甲の採血をさせるには、司法警察員Xは、裁判官による令状の発付を受けなくても、医師Yに鑑定嘱託をして、被疑者甲の採血をさせることができる。
説明では、採血は鑑定としての身体検査に当たり、鑑定処分許可状が必要としている。
根拠条文:刑事訴訟法223条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法225条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法168条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法223条第1項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者以外の者の出頭を求め、これを取り調べ、又はこれに鑑定、通訳若しくは翻訳を嘱託することができる。
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刑事訴訟法225条第1項―現行条文本文
第二百二十三条第一項の規定による鑑定の嘱託を受けた者は、裁判官の許可を受けて、第百六十八条第一項に規定する処分をすることができる。
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刑事訴訟法168条第1項―現行条文本文
鑑定人は、鑑定について必要がある場合には、裁判所の許可を受けて、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り、身体を検査し、死体を解剖し、墳墓を発掘し、又は物を破壊することができる。
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全体要旨
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