刑事訴訟法 第11問
教材: 刑事訴訟法①
予備試験 R02 第15問
論点: GPS捜査
問題
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GPS捜査(車両に使用者らの承諾なく秘かにGPS端末を取り付け、情報機器でその位置情報を検索し、画面表示を読み取って当該車両の所在と移動状況を把握する刑事手続上の捜査)
公式解答
2. 1個
正誤・解説
p1 /
GPS捜査は、個人のプライバシーの侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着することによって行われるため、合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法といい、刑事訴訟法上、特別の根拠規定がなければ許容されない強制処分に当たる。
判例は、GPS端末を秘かに取り付けて位置情報を継続的・網羅的に把握する手法は、個人のプライバシーを侵害し得る重大な法的利益侵害を伴うとして、刑訴法上、特別の根拠規定がなければ許されない強制処分に当たるとした。
根拠条文:日本国憲法35条・e-Govで法令を開く刑訴法上、特別の根拠規定がなければ許容されない強制の処分・e-Govを開く
日本国憲法35条―現行条文本文
第三十五条
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
p2 /
GPS捜査は、その実施に当たり、処分を受ける者の反対意思が現実に表明されているわけではないため、個人の意思を制圧することはなく、任意処分として行うことができる。
反対意思の表明がないことだけで任意処分とはいえない。判例は、GPS捜査は継続的・網羅的な把握を伴い、個人のプライバシー侵害が重大であるとして、強制処分に当たるとした。
p3 /
GPS捜査によって生じる個人のプライバシーの侵害とは、GPS端末を秘かに装着した車両の位置情報を、継続的、網羅的に取得し、これを蓄積、分析することにより、その車両を使用する者の交友関係をはじめとする私生活上の情報全般を把握することをいい、一定期間にわたり車両の位置情報が取得された後初めてそのGPS捜査は強制処分と評価される。
判例は、継続的・網羅的に位置情報を取得し私生活上の情報を把握し得る点を重視したが、一定期間経過後に初めて強制処分となるとはしていない。
p4 /
GPS捜査は、その実施に当たり、被疑事実と関係のない使用者の行動の過剰な把握を抑制する必要があるが、刑事訴訟法上、検証は10日を超えて実施できないとの規定があるため、検証許可状を取得すればこれを行うことができる。
判例は、GPS捜査について検証と同様の性質を否定し、検証許可状を取得すれば足りるとはしていない。なお、検証の期間制限についての記述も誤りである。
p5 /
GPS捜査は、被疑者らに知らせずに秘かに行うのでなければ意味がなく、処分を受ける者に対して事前の令状呈示を行うことは想定できないが、刑事訴訟法は、令状により行われる各強制処分について、令状を示すことができない場合に備え、処分の終了後遅滞なく、処分を受けた者に処分実施の事実を通知する手続を規定しているため、適正手続の保障という観点から問題が生じることはない。
刑訴法には、令状による強制処分一般について、終了後の事実通知を当然に定める包括的手続はない。判例も、事前令状や事後通知の仕組みがない点から適正手続上の問題が残るとしている。
全体要旨
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