刑事訴訟法 第3問
教材: 刑事訴訟法①
予備試験 R01 第14問
論点: 刑事手続における諸概念
問題
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公式解答
5
正誤・解説
p1 /
日本国憲法が被疑者・被告人の権利を保障する諸規定を置いたのを受けて、刑事訴訟法第1条は、同法の目的として、「適正手続の保障」と「人権の尊重」を掲げる一方、「事案の真相の解明」については明文に掲げなかった。
刑訴法1条は、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障を全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現することを目的とする。記述は条文と異なる。
根拠条文:刑事訴訟法1条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法1条―現行条文本文
第一条
この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。
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p2 /
刑事訴訟法は、裁判所が審判を行うことのできる対象について、検察官が「訴因」として明示する犯罪事実に限定されることはなく、当該犯罪事実と「公訴事実の同一性」の関係が認められる事実にまで及ぶとすることにより、審判対象設定における「当事者主義」を採用した。
現行刑訴法でも、裁判所が審判できる対象は検察官が訴因として明示した犯罪事実に限られる、という説明が判例・学説に一致する。記述はその点を逆にしている。
根拠条文:刑事訴訟法1条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法256条第6項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法435条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法1条―現行条文本文
第一条
この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。
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刑事訴訟法256条第6項―現行条文本文
起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。
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刑事訴訟法435条―現行条文本文
第四百三十五条
再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
一 原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。
二 原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。
三 有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。
但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。
四 原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。
五 特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡をした事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。
六 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。
七 原判決に関与した裁判官、原判決の証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官又は原判決の証拠となつた書面を作成し若しくは供述をした検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が被告事件について職務に関する罪を犯したことが確定判決により証明されたとき。
但し、原判決をする前に裁判官、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対して公訴の提起があつた場合には、原判決をした裁判所がその事実を知らなかつたときに限る。
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p3 /
刑事訴訟法が「起訴状一本主義」を採用したことにより、公判における事実審理を裁判所が主導して行う「職権主義」は実際上困難となり、当事者による証拠調べ請求や交互尋問など、「当事者主義」による訴訟追行が原則として行われることとなった。
起訴状一本主義により、起訴状には事件の要旨しか記載されず、裁判所が公判で事実を主導的に探知する職権主義はとりにくくなった。その結果、当事者による証拠調べ請求や交互尋問を中心とする当事者主義が前面に出る。
根拠条文:刑事訴訟法256条第6項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法256条第6項―現行条文本文
起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。
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p4 /
犯罪事実については、その存在が証明されたとの心証を裁判所が抱いたのではない限り無罪が言い渡されるという意味で、検察官が「挙証責任」を負うとされるが、これは、刑事訴訟法が「当事者主義」による訴訟追行を原則としたことによるものであり、「職権主義」の下では、検察官が犯罪事実について「挙証責任」を負うことはない。
刑事裁判で検察官が証明責任を負うのは、当事者主義そのものによるものではなく、無罪推定や利益原則との関係で説明される。職権主義の下でも、検察官が証拠を出して犯罪事実を証明すべきことは変わらない。
根拠条文:刑事訴訟法1条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法256条第6項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法435条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法1条―現行条文本文
第一条
この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。
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刑事訴訟法256条第6項―現行条文本文
起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。
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刑事訴訟法435条―現行条文本文
第四百三十五条
再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
一 原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。
二 原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。
三 有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。
但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。
四 原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。
五 特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡をした事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。
六 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。
七 原判決に関与した裁判官、原判決の証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官又は原判決の証拠となつた書面を作成し若しくは供述をした検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が被告事件について職務に関する罪を犯したことが確定判決により証明されたとき。
但し、原判決をする前に裁判官、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対して公訴の提起があつた場合には、原判決をした裁判所がその事実を知らなかつたときに限る。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
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p5 /
確定した判決の言渡しを受けた者にとって不利益となる再審を認めることは、「二重の危険の禁止」に反する疑いがあるため、刑事訴訟法は、確定した有罪判決の言渡しを受けた者にとって利益な方向での再審のみを認めた。
憲法39条の二重の危険の禁止との関係から、刑訴法は確定有罪判決について、原則として有利再審のみを認める。435条柱書もその趣旨を示している。
根拠条文:日本国憲法39条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法435条・e-Govで法令を開く
日本国憲法39条―現行条文本文
第三十九条
何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。
又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
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刑事訴訟法435条―現行条文本文
第四百三十五条
再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。
一 原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。
二 原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。
三 有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。
但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。
四 原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。
五 特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡をした事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。
六 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。
七 原判決に関与した裁判官、原判決の証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官又は原判決の証拠となつた書面を作成し若しくは供述をした検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が被告事件について職務に関する罪を犯したことが確定判決により証明されたとき。
但し、原判決をする前に裁判官、検察官、検察事務官又は司法警察職員に対して公訴の提起があつた場合には、原判決をした裁判所がその事実を知らなかつたときに限る。
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