行政法 第240問
教材: 行政法②
司法試験 H21 第35問
論点: 義務付け及び差止めの訴え
問題
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Xは、マンション建設を計画し、Y県知事に対し、都市計画法第29条の開発行為の許可を求める申請をしたところ、その建設予定地は、急傾斜地であり、同開発行為によってがけ崩れがあれば直接的な被害を受けることが予想される近接地に居住しているZは、同開発行為が同法第33条第1項第7号の開発許可基準を満たしていないと考えている。
公式解答
ア2 / イ1 / ウ2 / エ1
正誤・解説
ア /
Xは、Y県知事が相当の期間内に申請に対する許否の決定をしない場合、不作為の違法確認の訴えを提起することもできるし、これを提起しないで開発許可処分の義務付けの訴えを提起することもできる。
義務付けの訴えは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴えで、申請型では原則として不作為の違法確認とは別に要件が問題となる。説明文では「併合して提起しなければならない」とされ、単独提起はできない趣旨。
根拠条文:行政事件訴訟法37条の3第1項・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法37条の3第1項第1号・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法37条の3第1項第2号・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法37条の3第1項―現行条文本文
第三条第六項第二号に掲げる場合において、義務付けの訴えは、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当するときに限り、提起することができる。
一 当該法令に基づく申請又は審査請求に対し相当の期間内に何らの処分又は裁決がされないこと。
二 当該法令に基づく申請又は審査請求を却下し又は棄却する旨の処分又は裁決がされた場合において、当該処分又は裁決が取り消されるべきものであり、又は無効若しくは不存在であること。
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行政事件訴訟法37条の3第1項第1号―現行条文本文
一 当該法令に基づく申請又は審査請求に対し相当の期間内に何らの処分又は裁決がされないこと。
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行政事件訴訟法37条の3第1項第2号―現行条文本文
二 当該法令に基づく申請又は審査請求を却下し又は棄却する旨の処分又は裁決がされた場合において、当該処分又は裁決が取り消されるべきものであり、又は無効若しくは不存在であること。
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イ /
差止めの訴えは、行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができるが、Zには、Y県知事のXに対する開発許可処分の差止めを求める法律上の利益が認められる。
差止めの訴えの原告適格は法律上の利益を有する者に限られる。説明では、開発行為によりがけ崩れ等の直接的被害を受けることが予想される近接地住民Zについて、開発許可取消しを求める利益が認められるとしている。
根拠条文:行政事件訴訟法37条の4第3項・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法37条の4第4項・e-Govで法令を開く都市計画法33条第1項第7号・e-Govを開く
行政事件訴訟法37条の4第3項―現行条文本文
差止めの訴えは、行政庁が一定の処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、提起することができる。
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行政事件訴訟法37条の4第4項―現行条文本文
前項に規定する法律上の利益の有無の判断については、第九条第二項の規定を準用する。
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都市計画法33条第1項第7号―現行条文本文
七 地盤の沈下、崖崩れ、出水その他による災害を防止するため、開発区域内の土地について、地盤の改良、擁壁又は排水施設の設置その他安全上必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。
この場合において、開発区域内の土地の全部又は一部が次の表の上欄に掲げる区域内の土地であるときは、当該土地における同表の中欄に掲げる工事の計画が、同表の下欄に掲げる基準に適合していること。
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ウ /
XがY県を被告として提起した開発許可処分の義務付けの訴えに係る請求が認容され、Y県知事が同許可処分をした場合、原則として、Zにも同義務付け判決の効力が及び、Zは、同許可処分の違法性を主張することができなくなる。
行政事件訴訟法32条1項の第三者効は取消判決等についての規定であり、説明では同法38条1項により義務付け訴訟には32条が準用されないとされている。したがって、Zに義務付け判決の効力は及ばない。
根拠条文:行政事件訴訟法32条第1項・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法38条第1項・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法32条第1項―現行条文本文
処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する。
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行政事件訴訟法38条第1項―現行条文本文
第十一条から第十三条まで、第十六条から第十九条まで、第二十一条から第二十三条まで、第二十四条、第三十三条及び第三十五条の規定は、取消訴訟以外の抗告訴訟について準用する。
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エ /
XがY県を被告として不作為の違法確認の訴えと開発許可処分の義務付けの訴えを提起した場合、裁判所は、X、Y県若しくはZの申立て又は職権で、決定をもって、Zを訴訟に参加させることができる。
第三者に権利を害される者がある場合には、裁判所は申立て又は職権でその第三者を訴訟参加させることができる。説明では、開発行為により直接的被害を受けるおそれのあるZは第三者に当たるとして、参加が可能とされている。
根拠条文:行政事件訴訟法22条第1項・e-Govで法令を開く行政事件訴訟法38条第1項・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法22条第1項―現行条文本文
裁判所は、訴訟の結果により権利を害される第三者があるときは、当事者若しくはその第三者の申立てにより又は職権で、決定をもつて、その第三者を訴訟に参加させることができる。
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第十一条から第十三条まで、第十六条から第十九条まで、第二十一条から第二十三条まで、第二十四条、第三十三条及び第三十五条の規定は、取消訴訟以外の抗告訴訟について準用する。
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全体要旨
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