行政法 第195問
教材: 行政法②
司法試験 H26 第30問
論点: 原告適格
問題
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ア、イ、ウの各記述について、①の法令に関する説明を前提とした場合の②の判例内容の正誤を組み合わせて選ぶ。
公式解答
2. ア○ イ○ ウ×
正誤・解説
ア /
①建築基準法59条の2第1項は、建築物の容積率制限、高さ制限に関し、一定規模以上の広さの敷地を有し、かつ、敷地内に一定規模以上の空地を有する場合においては、安全、防火等の観点から支障がないと認められることなどの要件を満たすときに限り、これらの制限を緩和することを認めている。②この規定は、建築物の倒壊、炎上等による被害が直接的に及ぶことが想定される周辺の一定範囲の地域に存在する他の建築物についてその居住者の生命、身体の安全等及び財産としてその建築物を、個人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むものと解されるから、同条第1項の総合設計許可に係る建築物の倒壊、炎上等により直接的な被害を受けることが予想される範囲の地域に存する建築物に居住し又はこれを所有する者は、当該許可の取消しを求める原告適格を有する。
最高裁は、総合設計許可により直接的被害が想定される周辺区域の建築物の居住者・所有者について、生命・身体の安全や財産を個別的利益として保護する趣旨を含むとして原告適格を肯定した。
根拠条文:建築基準法59条の2第1項・e-Govを開く
建築基準法59条の2第1項―現行条文本文
その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建蔽率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの容積率又は各部分の高さは、その許可の範囲内において、第五十二条第一項から第九項まで、第五十五条第一項、第五十六条又は第五十七条の二第六項の規定による限度を超えるものとすることができる。
建築基準法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:59)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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イ /
①風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「法」という。)第4条第2項第2号は、風俗営業の許可の基準につき、良好な風俗環境を保全するため特にその設置を制限する必要があるものとして政令で定める基準に従い都道府県の条例(以下「施行条例」という。)で定める地域内に営業所があるときは風俗営業の許可をしてはならないと定め、法の委任を受けて定められた風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令(以下「施行令」という。)第6条第1号の規定は、「住居が多数集合しており、住居以外の用途に供される土地が少ない地域」を風俗営業の制限地域とすべきことを基準として定めている。②これらの規定から、法の風俗営業の許可に関する規定が一般的公益の保護に加えて個人の個別的利益も保護すべきものとする趣旨を含むことを読み取ることは困難であり、施行令第6条第1号の規定は、専ら公益保護の観点から基準を定めていると解するのが相当である。そうすると、上記の基準に従って規定された施行条例が定める地域に住居する者は、風俗営業の許可の取消しを求める原告適格を有するとはいえない。
最高裁は、風俗営業許可規制は良好な風俗環境という公益保護が中心で、条例地域の住民一般に個別的利益の保護まで認めないとして、当該住民の原告適格を否定した。
ウ /
①自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)第4条第2項は、場外車券売場施設につき、申請に係る施設の位置、構造及び設備が経済産業省令で定める基準に適合する場合に限りその許可をすることができる旨定め、これを受けて規定された自転車競技法施行規則(平成18年経済産業省令第126号による改正前のもの)第15条第1項第1号は、上記の基準として、学校その他の文教施設及び病院その他の医療施設(以下、これらを併せて「医療施設等」という。)から相当の距離を有し、文教上又は保健衛生上著しい支障を来すおそれがないこと(以下、この基準を「位置基準」という。)を定めている。②一般に、場外車券売施設が設置、運営された場合に周辺住民等が被る可能性のある被害は、交通、風紀、教育など広い意味での生活環境の悪化であって、基本的には公益に属する利益というべきである。そうすると、医療施設等の開設者は、位置基準を根拠として当該施設の設置許可の取消しを求める原告適格を有するとはいえない。
最高裁は、位置基準が医療施設等の開設者の文教上・保健衛生上の利益を個別的利益としても保護するとして、原告適格を肯定した。したがって「有しない」は誤り。
全体要旨
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