行政法 第173問
教材: 行政法②
司法試験 H21 第39問(改)
論点: 採り得る行政救済手段
問題
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Xの夫Aは、勤務中にくも膜下出血を起こし死亡した。Xは、Aの発症は過重な労働が原因と考え、所轄の労働基準監督署長に対して遺族補償給付の支給を請求したが、同署長は、業務起因性が認められないとして不支給の決定をした。次のアからエまでの各記述について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。
(参考条文)労働者災害補償保険法
第38条 保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
第40条 第38条第1項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。(以下略)
一、二(略)
公式解答
ア2 / イ2 / ウ1 / エ1
正誤・解説
ア /
Xは、労働基準監督署長の不支給決定を不服として、同署長に対し、再調査の請求をすることができる。
労働者災害補償保険法には、労働基準監督署長の不支給決定に対して「再調査の請求」をする旨の定めはない。審査請求・再審査請求の制度が問題となる。
根拠条文:行政不服審査法5条第1項・e-Govを開く
行政不服審査法5条第1項―現行条文本文
行政庁の処分につき処分庁以外の行政庁に対して審査請求をすることができる場合において、法律に再調査の請求をすることができる旨の定めがあるときは、当該処分に不服がある者は、処分庁に対して再調査の請求をすることができる。
ただし、当該処分について第二条の規定により審査請求をしたときは、この限りでない。
行政不服審査法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:19)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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イ /
労働者災害補償保険審査官に対する審査請求がされた後は、労働基準監督署長は、自らした不支給決定を取り消し、改めて支給決定をすることはできない。
審査請求後でも、労働基準監督署長の不支給決定は、取消しや変更を妨げる一般的な規定の対象外とされ、取下げ・再判断が可能と説明されている。
根拠条文:行政不服審査法及び労働者災害補償保険法上・e-Govを開く
ウ /
労働基準監督署長の保険給付に関する決定、審査請求に対する労働者災害補償保険審査官の決定、再審査請求に対する労働保険審査会の裁決は、いずれも抗告訴訟の対象とすることができる。
保険給付に関する決定、審査請求に対する審査官の決定、再審査請求に対する労働保険審査会の裁決はいずれも、取消訴訟の対象になり得ると説明されている。
根拠条文:行政事件訴訟法10条第2項・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法10条第2項―現行条文本文
処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない。
行政事件訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:02)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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エ /
労働者災害補償保険審査官は、Xの審査請求を棄却し、労働保険審査会は、Xの再審査請求を棄却した。Xは、Aの死亡に業務起因性がないとした労働基準監督署長の不支給決定の違法を理由として、労働保険審査会の裁決の取消しを求めることができない。
取消訴訟では、原則として原処分の違法を直接理由に裁決取消しを求められないという原処分主義が採られる。したがって、原処分の違法を理由とする裁決取消しはできない。
根拠条文:行政事件訴訟法10条第2項・e-Govで法令を開く
行政事件訴訟法10条第2項―現行条文本文
処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない。
行政事件訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:02)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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