行政法 第83問
教材: 行政法①
司法試験 H21 第27問
論点: 行政上の義務履行確保
問題
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A市では、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」という。)の規制の及ばない、新たな形態の性風俗営業により、生活環境、教育環境に悪影響が出ていることから、良好な生活環境の維持形成と青少年の健全育成を目的に、ホテル等建築の適正化に関する条例(以下「条例」という。)を制定することを検討している。当該条例では、条例に違反したホテルの建築主に対して、A市長が中止を命ずることができる旨の規定を置くとともに、中止命令の実効性を確保するための規定を設ける予定である。当該規定に基づく次のアからエまでの各措置のうち、法令又は最高裁判所の判例に照らし、適法になり得る余地のないものの個数を、後記1から5までの中から選びなさい(なお、解答に当たり、条例は旅館業法、風営法に矛盾しないことを前提とすること)。
公式解答
2
正誤・解説
p1 /
中止命令に従わない場合には、中止命令に従わない者に対して罰金20万円を科するものとすること
地方自治法14条3項は、条例違反に対し2年以下の懲役若しくは禁錮、100万円以下の罰金等までの罰則を設け得るとしており、20万円の罰金はその範囲内で適法になり得る。
p2 /
中止命令に従わない場合には、A市職員が建築工事現場の入口を封鎖することができるものとすること
直接強制は、法が予定する行政上の強制執行の手段として一般に認められず、条例で独自に定めることもできない。入口封鎖は身体・財産への実力行使に当たり、適法になり得る余地はない。
根拠条文:行政代執行法1条・e-Govを開く
p3 /
中止命令に従わない場合には、A市が建築続行禁止の仮処分を申し立てることができるものとすること
最高裁判例は、国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対し行政上の義務の履行を求める訴訟は、法規の適用の適正化を求めるにとどまり、法律上の争訟に当たらないとしている。したがって、この仮処分申立ては適法になり得ない。
p4 /
中止命令に従わない場合には、A市長が除却を命ずることができるものとして、行政代執行法に基づく行政代執行を可能にすること
行政代執行法2条は、法律(法律の委任に基づく命令、規則及び条例を含む)により直接命ぜられ、又は法律に基づき行政庁に命ぜられた行為について代執行できるとしている。条例に基づく除却命令を前提とする行政代執行は適法になり得る。
全体要旨
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