行政法 第73問
教材: 行政法①
司法試験 H25 第16問
論点: 行政指導
問題
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Xがマンションを建築するために,甲市の建築主事Aに対して建築確認を申請したところ,Xの建築計画に反対する付近住民とXとの間で紛争が発生した。甲市においては,建築紛争が発生した場合は常に建築確認を留保して建築主に話し合いを通じた紛争の解決を図るよう建築課職員(以下「職員」という。)において指導する運用を続けてきた。そこで,職員は,Xの建築計画が建築基準関係規定に適合していると審査を終えた後も,Xに対して,付近住民との話合いにより紛争を解決するよう口頭で指導した。Xは付近住民との間で4か月以上にわたって話合いの機会を10回以上持ったが,紛争解決には至らなかった。Xの建築確認申請から6か月後に,Xと付近住民との合意成立を受けて,Aはようやく建築確認をした。次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。なお,解答に当たっては,甲市では行政手続条例が制定され,行政手続法第4章行政指導と同じ内容の規定が設けられていることを前提としなさい。
公式解答
ア2 / イ1 / ウ1 / エ2
正誤・解説
p1 /
最高裁判所の判例によれば,規制的行政指導には根拠規範が原則として必要とされるが,職員は建築基準法における建築確認の根拠規定に基づき,Xに対して付近住民との話合いを指導することができる。
判例は,規制的行政指導に一般的な根拠規範が必要としつつも,本件のような建築確認の権限から直ちに近隣との話合いを指導できるとはいえないとしている。
根拠条文:行政手続法36条・e-Govで法令を開く行政手続法35条第3項・e-Govで法令を開く国家賠償法1条第1項・e-Govで法令を開く
行政手続法36条―現行条文本文
第三十六条 (複数の者を対象とする行政指導)
同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じ、行政指導指針を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。
行政手続法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:09)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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行政手続法35条第3項―現行条文本文
行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前二項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。
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国家賠償法1条第1項―現行条文本文
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
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p2 /
建築確認を留保して行う行政指導については,その指針があらかじめ定められなければならず,行政上の支障がない限り,当該指針は公表されなければならない。
行政手続法36条は,同一の行政目的のため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするとき,あらかじめ行政指導指針を定め,行政上特別の支障がない限り公表するよう求めている。
根拠条文:行政手続法36条・e-Govで法令を開く
行政手続法36条―現行条文本文
第三十六条 (複数の者を対象とする行政指導)
同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じ、行政指導指針を定め、かつ、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。
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p3 /
付近住民との話合いを求める行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を記載した書面の交付をXから求められた場合には,職員は行政上の支障がない限り,これを交付しなければならない。
行政手続法35条3項は,行政指導が口頭でされた場合,前2項事項を記載した書面の交付を求められたときは,行政上特別の支障がない限り交付義務を定める。
根拠条文:行政手続法35条第3項・e-Govで法令を開く
行政手続法35条第3項―現行条文本文
行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前二項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。
行政手続法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:09)
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p4 /
職員が紛争の解決のための話合いをXに対して求める行政指導は,事実行為であって法的拘束力を有しないことから,Xは,当該指導が行われていることを理由に建築確認が遅延させられたのは違法であると主張して,国家賠償法第1条第1項に基づき損害賠償を請求することはできない。
行政指導は法的拘束力を持たなくても,その限度を超え違法な公権力の行使と評価されれば国賠の対象になり得る。本件のように建築確認が不当に遅延した場合の賠償請求を否定できない。
根拠条文:国家賠償法1条第1項・e-Govで法令を開く
国家賠償法1条第1項―現行条文本文
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
国家賠償法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:54)
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全体要旨
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