民法 第683問
教材: 民法⑤
司法試験 H19 第2問
論点: 双方代理・利益相反
問題
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双方代理又は利益相反行為に関する次の1から5までの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
公式解答
3
正誤・解説
p1 /
不動産の売買契約に基づく所有権移転登記申請手続について、司法書士が売主及び買主の双方を代理することは、双方代理の禁止に関する規定に違反しない。
判例は、登記申請はすでに成立した権利変動を公示する手続であり、代理人が新たな利害関係を作るものではないとして、売主・買主双方代理でも民法108条本文に直ちに違反しないとした。
根拠条文:民法108条・e-Govで法令を開く
民法108条―現行条文本文
第百八条 (自己契約及び双方代理等)
同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。
ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。
ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
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p2 /
共同相続人の一人が他の共同相続人の全部又は一部の者の後見をしている場合、後見人が被後見人全員を代理してする相続の放棄は、後見人自らが相続の放棄をした後にされたときは、後見人と被後見人との間において利益相反行為に当たらない。
判例は、後見人が先に自己の相続放棄をした後に被後見人全員を代理して放棄しても、両者間で常に利益相反とはいえず、同時放棄と同視できる場合は利益相反に当たらないとした。
根拠条文:民法860条・e-Govで法令を開く民法826条・e-Govで法令を開く
民法860条―現行条文本文
第八百六十条 (利益相反行為)
第八百二十六条の規定は、後見人について準用する。
ただし、後見監督人がある場合は、この限りでない。
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民法826条―現行条文本文
第八百二十六条 (利益相反行為)
親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
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p3 /
親権者が未成年の子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は、親権者による利益相反行為に当たる。
判例は、子に経済的利益をもたらさず第三者の利益のみを図るような場合でも、直ちに民法826条2項の利益相反行為には当たらず、親権者の代理権濫用の問題として考えるべきだとしている。
根拠条文:民法826条・e-Govで法令を開く民法826条第2項・e-Govで法令を開く民法107条・e-Govで法令を開く
民法826条―現行条文本文
第八百二十六条 (利益相反行為)
親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
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民法826条第2項―現行条文本文
親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
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民法107条―現行条文本文
第百七条 (代理権の濫用)
代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。
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p4 /
未成年の子と親権者である父母の一方に利益相反関係があるときは、利益相反関係のない親権者と家庭裁判所で選任された特別代理人とが共同して子のための代理行為をなすべきである。
判例は、利益相反関係にある親権者は特別代理人の選任を求め、利益相反関係のない親権者が特別代理人と共同して代理すべきものとしている。
根拠条文:民法818条第3項・e-Govで法令を開く
民法818条第3項―現行条文本文
子が養子であるときは、次に掲げる者を親権者とする。
一 養親(当該子を養子とする縁組が二以上あるときは、直近の縁組により養親となった者に限る。)
二 子の父母であって、前号に掲げる養親の配偶者であるもの
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p5 /
親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割の協議をすることは、仮に親権者において数人の子のいずれに対しても衡平を欠く意図がなく、親権者の代理行為の結果、数人の子の間に利害対立が現実化されていなかったとしても、利益相反行為に当たる。
判例は、遺産分割協議は相続人間に利害対立を生じるおそれがある行為で、客観的性質から利益相反行為に当たるとした。主観的に公平意図があっても結論は変わらない。
根拠条文:民法826条第2項・e-Govで法令を開く
民法826条第2項―現行条文本文
親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
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全体要旨
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