民法 第527問
教材: 民法④
司法試験 H27 第23問
論点: 賃貸借と消費賃借
問題
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公式解答
1. ア ウ
正誤・解説
p1 /
賃貸借契約において賃貸人が目的物の所有者である場合、その目的物の所有権は賃借人に移転しないが、消費貸借契約において貸主が目的物の所有者である場合、その目的物の所有権は借主に移転する。
賃貸借では使用収益をさせる契約であり所有権は移転しない。消費貸借では借主が借りた物を返還するために占有・所有の移転が問題となり、説明文でもこの対比が正しいとされている。
根拠条文:民法206条・e-Govで法令を開く民法601条・e-Govで法令を開く民法587条・e-Govで法令を開く
民法206条―現行条文本文
第二百六条 (所有権の内容)
所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
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民法601条―現行条文本文
第六百一条 (賃貸借)
賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。
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民法587条―現行条文本文
第五百八十七条 (消費貸借)
消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
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p2 /
賃貸借契約は、諾成契約であるから、当事者間の合意によって成立するが、消費貸借契約は、要物契約であるから、当事者間で、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその引渡しを受けた物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還することを約したとしても、その合意は無効である。
消費貸借は基本的に要物契約だが、説明文では書面でする消費貸借は諾成契約とされる。したがって、合意が常に無効という断定は誤り。
根拠条文:民法601条・e-Govで法令を開く民法587条・e-Govで法令を開く民法587条第2項・e-Govで法令を開く
民法601条―現行条文本文
第六百一条 (賃貸借)
賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。
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民法587条―現行条文本文
第五百八十七条 (消費貸借)
消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
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民法587条第2項―現行条文本文
第五百八十七条 (消費貸借)
消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
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p3 /
賃貸借契約における賃料の支払時期も、利息付きの消費貸借契約における利息の支払時期も、当事者の合意により自由に定めることができる。
賃料・利息の支払時期はいずれも任意規定があるため、当事者の合意で定められると説明されている。
根拠条文:民法614条・e-Govで法令を開く民法589条第1項・e-Govで法令を開く民法589条第2項・e-Govで法令を開く
民法614条―現行条文本文
第六百十四条 (賃料の支払時期)
賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。
ただし、収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならない。
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民法589条第1項―現行条文本文
貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない。
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民法589条第2項―現行条文本文
前項の特約があるときは、貸主は、借主が金銭その他の物を受け取った日以後の利息を請求することができる。
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p4 /
賃貸借契約において当事者が期間を定めなかった場合に貸主が解約の申入れをしたときは、借主は、法定の期間内は目的物を返還しなくても遅滞の責任を負わないが、消費貸借契約において当事者が返還の時期を定めなかった場合に貸主が返還を請求したときは、借主は、直ちに目的物を返還しなければ遅滞の責任を負う。
賃貸借は申入れ後すぐ遅滞になるわけではなく法定期間がある。他方、消費貸借でも返還時期未定なら直ちに返還義務が生ずるとは限らず、説明文では相当期間を経るまで遅滞責任を負わないとしている。
根拠条文:民法617条第1項・e-Govで法令を開く民法591条第1項・e-Govで法令を開く
民法617条第1項―現行条文本文
当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一 土地の賃貸借
一年
二 建物の賃貸借
三箇月
三 動産及び貸席の賃貸借
一日
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民法591条第1項―現行条文本文
当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。
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p5 /
賃貸借契約において当事者が期間を定めなかった場合、借主はいったんでも解約の申入れをすることができるが、消費貸借契約において当事者が返還の時期を定めなかった場合、無利息の消費貸借のときに限り、借主はいつでも解約の申入れをすることができる。
賃貸借では期間を定めないと各当事者がいつでも解約申入れ可能だが、消費貸借では無利息かどうかにかかわらず、返還時期未定なら借主はいつでも返還できると説明されており、記述は限定しすぎて誤り。
根拠条文:民法617条第1項・e-Govで法令を開く民法591条第2項・e-Govで法令を開く
民法617条第1項―現行条文本文
当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一 土地の賃貸借
一年
二 建物の賃貸借
三箇月
三 動産及び貸席の賃貸借
一日
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民法591条第2項―現行条文本文
借主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還をすることができる。
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