民法 第474問
教材: 民法③
司法試験 R05 第23問
論点: 同時履行の抗弁権
問題
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アからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らして正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
公式解答
5. ウ エ
正誤・解説
A /
質権の被担保債権に係る債務と質物の返還義務とは、同時履行の関係にある。
判例は、質権者は被担保債権の弁済を受けるまで質物留置ができるとしつつも、被担保債務の弁済義務と質物返還義務が当然に同時履行になるとはしていない。
根拠条文:民法533条・e-Govで法令を開く民法347条・e-Govで法令を開く
民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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民法347条―現行条文本文
第三百四十七条 (質物の留置)
質権者は、前条に規定する債権の弁済を受けるまでは、質物を留置することができる。
ただし、この権利は、自己に対して優先権を有する債権者に対抗することができない。
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I /
賃貸借が終了した場合における敷金の返還義務と賃借物の返還義務とは、同時履行の関係にある。
判例は、賃貸借終了後の敷金返還義務は、賃借人の原状回復・明渡しの関係と一体ではなく、同時履行関係には立たないとする。
根拠条文:民法622条の2第1項・e-Govで法令を開く
民法622条の2第1項―現行条文本文
賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
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U /
注文者に引き渡された仕事の目的物の品質が請負契約の内容に適合しないものである場合、注文者の報酬支払義務と、請負人の修補に代わる損害賠償義務とは、同時履行の関係にある。
判例は、請負の目的物に契約不適合がある場合、注文者の報酬支払と、請負人の修補に代わる損害賠償とは同時履行関係に立つとする。
根拠条文:民法634条第2項・e-Govで法令を開く民法533条・e-Govで法令を開く
民法634条第2項―現行条文本文
第六百三十四条 (注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)
次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。
この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。
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民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
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E /
不動産の売買契約の履行として売主への代金の支払と買主への所有権移転登記がなされた後、売主が第三者の詐欺を理由として売買契約を取り消した場合、代金返還義務と所有権移転登記の抹消登記手続義務とは、同時履行の関係にある。
詐欺取消しで原状回復が問題となる場面では、売主の代金返還と買主の登記抹消義務は、判例上、民法533条類推適用により同時履行関係にある。
根拠条文:民法533条・e-Govで法令を開く民法96条第1項・e-Govで法令を開く民法121条・e-Govで法令を開く
民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
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民法96条第1項―現行条文本文
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
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民法121条―現行条文本文
第百二十一条 (取消しの効果)
取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。
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O /
債権に関する証書がある場合において、その債権に係る債務と証書の返還義務とは、同時履行の関係にある。
判例は、債権証書の返還請求権は、弁済と引換えに認められるとしても、債務の履行と当然に同時履行関係に立つものではないとする。
根拠条文:民法487条・e-Govで法令を開く民法486条・e-Govで法令を開く
民法487条―現行条文本文
第四百八十七条 (債権証書の返還請求)
債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる。
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民法486条―現行条文本文
第四百八十六条 (受取証書の交付請求等)
弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。
弁済をする者は、前項の受取証書の交付に代えて、その内容を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。
ただし、弁済を受領する者に不相当な負担を課するものであるときは、この限りでない。
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全体要旨
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