民法 第451問
教材: 民法③
司法試験 R03 第21問 / 予備試験 R03 第9問
論点: 相殺
問題
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AのBに対する金銭債権(以下「甲債権」という。)とBのAに対する金銭債権(以下「乙債権」という。)との相殺に関する次のアからオまでの各記述
公式解答
3. イ ウ
正誤・解説
p1 /
甲債権と乙債権の両方の弁済期が到来した後、甲債権がAからCに譲渡され、その対抗要件が具備された。この場合において、Bは、CがBのCに対する金銭債権(丙債権)と甲債権とを相殺した後であっても、乙債権と甲債権との相殺をもってCに対抗することができる。
説明では、相殺適状は原則として相殺の意思表示時に存在することが必要で、甲債権が譲渡される前に一方の債権が弁済・代物弁済・更改等により消滅している場合は相殺できないとされている。本肢は、譲渡後の相殺を広く認めており誤り。
根拠条文:民法505条第1項・e-Govで法令を開く民法506条第1項・e-Govで法令を開く
民法505条第1項―現行条文本文
二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。
ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
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民法506条第1項―現行条文本文
相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。
この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
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p2 /
乙債権は、Aの債権者であるDが甲債権を差し押さえた後に、Bが他人から譲り受けたものであった。この場合、乙債権が差押え前の原因に基づいて生じたものだとしても、Bは、乙債権と甲債権との相殺をもってDに対抗することができない。
説明では、差押え後に取得した債権は、原則として差押債権者に対する相殺に使えない。ただし差押え前の原因に基づく場合は例外があるが、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときはこの限りでないとされる。本肢はその例外外に当たり正しい。
根拠条文:民法511条第1項・e-Govで法令を開く民法511条第2項・e-Govで法令を開く
民法511条第1項―現行条文本文
差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。
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民法511条第2項―現行条文本文
前項の規定にかかわらず、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者は、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。
ただし、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。
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p3 /
甲債権は、Bの悪意による不法行為に基づいて生じたEのBに対する損害賠償債権を、AがEから譲り受けたものであった。この場合、Bは、乙債権と甲債権との相殺をもってAに対抗することができる。
説明では、悪意の不法行為に基づく損害賠償債務については相殺が制限されるが、債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときはその限りでないとされる。本肢はAがEから譲受けているため、相殺対抗が可能で正しい。
根拠条文:民法509条・e-Govで法令を開く民法509条第1号・e-Govで法令を開く民法509条第2項・e-Govで法令を開く
民法509条―現行条文本文
第五百九条 (不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止)
次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。
ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは、この限りでない。
一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務
二 人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。)
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民法509条第1号―現行条文本文
第五百九条 (不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止)
次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。
ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは、この限りでない。
一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務
二 人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。)
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民法509条第2項―現行条文本文
第五百九条 (不法行為等により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止)
次に掲げる債務の債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。
ただし、その債権者がその債務に係る債権を他人から譲り受けたときは、この限りでない。
一 悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務
二 人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務(前号に掲げるものを除く。)
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p4 /
甲債権の弁済期が到来した後に、Aの債権者であるFが甲債権を差し押さえた場合には、Bは、差押え前に取得していた乙債権の弁済期到来前であっても、乙債権と甲債権との相殺をもってFに対抗することができる。
説明では、差押え後に取得した債権でない限り差押え前に取得した債権との相殺は認められるが、本肢は乙債権の弁済期到来前の相殺まで広く認めており、相殺適状の要件に反するため誤り。
根拠条文:民法511条第1項・e-Govで法令を開く民法505条第1項・e-Govで法令を開く
民法511条第1項―現行条文本文
差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。
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民法505条第1項―現行条文本文
二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。
ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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p5 /
Aが甲債権をGに譲渡し、その対抗要件が具備された後、Bが乙債権を取得した。この場合において、Bは、乙債権が対抗要件具備より前の原因に基づいてA間で生じた債権であっても、乙債権と甲債権との相殺をもってGに対抗することができない。
説明では、債権譲渡の対抗要件具備時より前に取得した譲受人に対する債権であれば、原則として相殺を対抗できるとされる。さらに、対抗要件具備後に取得した場合でも、その債権が次に掲げるものに当たるときは前項同様となる。本肢は一律に対抗不可としており誤り。
根拠条文:民法469条第1項・e-Govで法令を開く民法469条第2項・e-Govで法令を開く民法469条第1項第1号・e-Govで法令を開く
民法469条第1項―現行条文本文
債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができる。
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民法469条第2項―現行条文本文
債務者が対抗要件具備時より後に取得した譲渡人に対する債権であっても、その債権が次に掲げるものであるときは、前項と同様とする。
ただし、債務者が対抗要件具備時より後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。
一 対抗要件具備時より前の原因に基づいて生じた債権
二 前号に掲げるもののほか、譲受人の取得した債権の発生原因である契約に基づいて生じた債権
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民法469条第1項第1号―現行条文本文
債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができる。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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