民法 第343問
教材: 民法③
司法試験 R02 第15問
論点: 債務不履行責任
問題
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AとBは、Aが所有する骨董品甲をBに100万円で売却する旨の売買契約を締結した。
公式解答
1. ア ウ
正誤・解説
p1 /
売買契約の締結後、Bが代金100万円を支払ったが、引渡期日前に、AがBに対して甲を引き渡すつもりは全くないと告げ、Bの働きかけにもかかわらず翻意しないときは、Bは、引渡期日の到来を待つことなく、Aに対し、債務の履行に代わる損害の賠償を請求することができる。
415条2項は、債務者が履行を拒絶する意思を明確に示したとき、履行期前でも履行に代わる損害賠償請求を認める。
根拠条文:民法415条第2項・e-Govで法令を開く民法415条第2項第1号・e-Govで法令を開く
民法415条第2項―現行条文本文
前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
一 債務の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。
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民法415条第2項第1号―現行条文本文
一 債務の履行が不能であるとき。
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p2 /
売買契約の締結の前日に甲が焼失していたときは、当該売買契約は効力を生じない。
412条2項は、契約成立時に履行不能でも損害賠償請求を妨げないとする。したがって、当然に契約無効とはならない。
根拠条文:民法412条第2項・e-Govで法令を開く
民法412条第2項―現行条文本文
債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う。
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p3 /
売買契約の締結後、Bが代金100万円を支払ったが、Aが甲をBに引き渡す前に、甲がBの責めに帰すべき事由により焼失した場合において、Aが甲の焼失による損害をてん補するために支払われる損害保険金70万円を得たときは、Bは、Aに対し、70万円の支払を請求することができる。
422条2項は、同一の原因により目的物の代わりとして得た権利・利益があるとき、債権者はその限度で債務者に移転等を請求できるとする。
根拠条文:民法422条第2項・e-Govで法令を開く
民法422条第2項―現行条文本文
第四百二十二条 (損害賠償による代位)
債権者が、損害賠償として、その債権の目的である物又は権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する。
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p4 /
売買契約の締結後、Aが甲をBに引き渡す前に、甲が第三者の失火により焼失したときは、Bの代金支払債務は当然に消滅する。
536条1項は双務契約で一方が責めに帰すべき事由で履行不能となった場合の規定であり、第三者失火による焼失で当然消滅するわけではない。
根拠条文:民法411条第1号・e-Govで法令を開く民法536条第1項・e-Govで法令を開く民法536条第2項・e-Govで法令を開く
民法411条第1号―現行条文本文
第四百十一条 (選択の効力)
選択は、債権の発生の時にさかのぼってその効力を生ずる。
ただし、第三者の権利を害することはできない。
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民法536条第1項―現行条文本文
当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
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民法536条第2項―現行条文本文
債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。
この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
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p5 /
Aが引渡期日に甲の引渡しの提供をしたところ、Bが正当な理由なく受領を拒絶したため、Aの下で甲を保管中に、Aの重過失により甲が滅失したときは、Bは、代金の支払を拒むことができない。
533条により、相手方が履行提供を受けるまで自らの履行を拒める。また、受領拒絶後の保管中でも、債権者側の責めに帰すべき事由でない限り当然に代金支払を免れないとはいえない。
根拠条文:民法415条第2項・e-Govで法令を開く民法415条第2項第1号・e-Govで法令を開く民法533条・e-Govで法令を開く民法536条第2項・e-Govで法令を開く民法413条第2項・e-Govで法令を開く
民法415条第2項―現行条文本文
前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
一 債務の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。
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民法415条第2項第1号―現行条文本文
一 債務の履行が不能であるとき。
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民法533条―現行条文本文
第五百三十三条 (同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
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民法536条第2項―現行条文本文
債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。
この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
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民法413条第2項―現行条文本文
債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができないことによって、その履行の費用が増加したときは、その増加額は、債権者の負担とする。
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