民法 第334問
教材: 民法③
司法試験 H22 第15問
論点: 債権の効力
問題
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ア.債務者が債務を弁済しない場合に、債権者がその債務の履行を請求する訴えを提起しないという当事者間の合意は、無効である。
イ.債務者が債務を弁済しない場合に、債権者がその債務に係る強制執行をしないという当事者間の合意は、無効である。
ウ.組合の債務者は、その債務と組合員に対する債権とを相殺することができない。
エ.ある債務の消滅時効の完成後に、債務者がそのことを知らずにその債務を弁済したときは、債務者は、不当利得として弁済金相当額の返還を請求することができる。
オ.限定承認をした相続人に相続債務の支払を命ずる判決には、相続財産の限度で支払を命ずる旨の留保をしなければならない。
公式解答
5. ウ オ
正誤・解説
ア /
債務者が債務を弁済しない場合に、債権者がその債務の履行を請求する訴えを提起しないという当事者間の合意は、無効である。
債務の履行を請求する訴えを提起しない旨の合意でも、原則として公序良俗に反しない限り有効とされる。したがって「無効である」は誤り。
根拠条文:民法90条・e-Govで法令を開く
民法90条―現行条文本文
第九十条 (公序良俗)
公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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イ /
債務者が債務を弁済しない場合に、債権者がその債務に係る強制執行をしないという当事者間の合意は、無効である。
給付訴訟と異なり、強制執行しない旨の合意も債権者の裁判上の権利行使の範囲の問題として、原則として有効とされる。よって誤り。
ウ /
組合の債務者は、その債務と組合員に対する債権とを相殺することができない。
組合員の債権者は組合財産について権利を行使できないとされ、組合債務と組合員個人への債権を相殺することはできない。
根拠条文:民法677条・e-Govで法令を開く
民法677条―現行条文本文
第六百七十七条 (組合財産に対する組合員の債権者の権利の行使の禁止)
組合員の債権者は、組合財産についてその権利を行使することができない。
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エ /
ある債務の消滅時効の完成後に、債務者がそのことを知らずにその債務を弁済したときは、債務者は、不当利得として弁済金相当額の返還を請求することができる。
時効完成後に債務者が債務承認・弁済をした場合、信義則上、完成した時効を援用できないとされるので、弁済金の返還請求はできない。
根拠条文:民法152条第1項・e-Govで法令を開く
民法152条第1項―現行条文本文
時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
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オ /
限定承認をした相続人に相続債務の支払を命ずる判決には、相続財産の限度で支払を命ずる旨の留保をしなければならない。
限定承認後の相続債務については、相続人の無限責任を避けるため、判決主文で相続財産の限度を明示する必要がある。
根拠条文:民法921条・e-Govで法令を開く民事訴訟法35条第2項・e-Govで法令を開く
民法921条―現行条文本文
第九百二十一条 (法定単純承認)
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。
ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。
ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。
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民事訴訟法35条第2項―現行条文本文
裁判所は、いつでも特別代理人を改任することができる。
民事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:11)
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全体要旨
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