民法 第177問
教材: 民法②
司法試験 H28 第8問(改)
論点: 相続等と不動産物権変動
問題
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甲土地を所有するAには、その妻Bとの間に子C及びDがいる。Aが死亡したときの不動産物権変動に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものはどれか。
公式解答
2. ア オ
正誤・解説
p1 /
Cが相続放棄をした後に、甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で、甲土地の4分の1の持分をEに売却し、CからEへの持分移転登記を経由した場合、Eは、B及びDに対し、甲土地について4分の1の持分の取得を主張することができる。
相続放棄は初めから相続人でなかったものと扱われ、その効果は第三者にも対抗できるため、放棄後に見かけ上登記がされても、放棄者からの売却で第三者が持分取得を主張することはできない。
根拠条文:民法939条・e-Govで法令を開く
民法939条―現行条文本文
第九百三十九条 (相続の放棄の効力)
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
AがEに甲土地を遺贈し、遺言により指定された遺言執行者Fがある場合において、Bが、甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で、甲土地の2分の1の持分を悪意のGに売却し、BからGへの持分移転登記を経由したときは、Eは、Gに対し、甲土地の所有権の取得を主張することができる。
遺言執行者がいる場合、相続人は遺贈の履行を妨げる処分を第三者に対抗できない。したがって、Bが登記後にGへ売却しても、EはGに対して所有権取得を主張できる。
根拠条文:民法1013条第1項・e-Govで法令を開く民法1013条第2項・e-Govで法令を開く
民法1013条第1項―現行条文本文
遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
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民法1013条第2項―現行条文本文
前項の規定に違反してした行為は、無効とする。
ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
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p3 /
B、C及びDの遺産分割協議により、甲土地はBが取得することとされた場合であっても、その後、Dが、甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で、甲土地の4分の1の持分をEに売却し、DからEへの持分移転登記を経由したときには、Eは、Bに対し、甲土地について4分の1の持分の取得を主張することができる。
遺産分割でB取得とされても、相続による持分を超える部分は登記・対抗要件を備えない限り第三者に対抗できない。よって、Dが見かけ上持分を処分して登記を経た場合、EはBに対し4分の1持分取得を主張できる。
根拠条文:民法899条の2第1項・e-Govで法令を開く
民法899条の2第1項―現行条文本文
相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。
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p4 /
Aが「甲土地はCに相続させる」旨の遺言をしていた場合において、Bが、甲土地について法定相続分に応じた持分の割合により相続登記をした上で、甲土地の2分の1の持分をEに売却し、BからEへの持分移転登記を経由したときには、Cは、Eに対し、甲土地の所有権の取得を主張することができない。
「相続させる」旨の遺言があると、相続開始時に特定承継される。Bが法定相続分を登記して処分しても、Cの取得に対する第三者対抗の問題としてはEの取得が優先されず、CはEに対して所有権取得を主張できない。
根拠条文:民法899条の2第1項・e-Govで法令を開く
民法899条の2第1項―現行条文本文
相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。
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p5 /
Dが甲土地を単独で相続した旨の不実の登記をした上、甲土地をEに売却し、DからEへの所有権移転登記を経由した場合、Bは、Eに対し、甲土地について2分の1の持分の取得を主張することができない。
不実の単独相続登記に基づく処分でも、共同相続人Bは自己の持分を登記なくして第三者Eに対抗できる。判例は、Eが単独取得を主張してもBの持分を排斥できないとしている。
根拠条文:民法177条・e-Govで法令を開く
民法177条―現行条文本文
第百七十七条 (不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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全体要旨
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