民法 第25問
教材: 民法①
プレ-20
論点: 失踪宣告
問題
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Aが失踪宣告を受け、唯一の相続人である妻BがA所有の甲土地及び乙土地を相続した。Bは、相続の1年後に、甲土地を代金1,000万円でCに売り渡して代金を受領し、5年後には、乙土地を代金2,000万円でDに売り渡して代金を受領した。また、Bは失踪宣告後3年目にEと結婚した。失踪宣告後、11年が経過し、失踪宣告が取り消された。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
公式解答
3. イ・エ
正誤・解説
p1 /
Aが失踪宣告時には生存しており、その3年後に死亡した事実が判明して、失踪宣告が取り消された場合、B、C及びDがそれぞれの売買契約の当時、Aの生存を知っていたとしても、Cは甲土地を、Dは乙土地をAの相続人Bに返還する必要はない。
売買当時にAの生存を知っていたなら、32条1項後段は適用されず、各売買は他人物売買として扱われる。さらにAは後に死亡しており、Bが相続人として権利を承継するため、C・DはBに返還義務を負う。
根拠条文:民法32条第1項・e-Govで法令を開く民法561条・e-Govで法令を開く民法116条・e-Govで法令を開く民法32条第2項・e-Govで法令を開く
民法32条第1項―現行条文本文
失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。
この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
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民法561条―現行条文本文
第五百六十一条 (他人の権利の売買における売主の義務)
他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
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民法116条―現行条文本文
第百十六条 (無権代理行為の追認)
追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。
ただし、第三者の権利を害することはできない。
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民法32条第2項―現行条文本文
失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。
ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。
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p2 /
Aが現に生存しているとの理由で失踪宣告が取り消された場合、前記各売買契約の当時、B及びCはAの生存を知っていたが、Dがその事実を知らなかったときは、Cは甲土地をAに返還しなければならないが、Dは乙土地をAに返還する必要はない。
各売買契約時にBとCはA生存を知っているので甲土地は他人物売買となり、CはAに返還が必要。DもA生存を知らないだけでは足りず、BやCが知っていた以上、乙土地についても取扱いは同様で、DもAに返還義務を負う。
根拠条文:民法32条第1項・e-Govで法令を開く民法561条・e-Govで法令を開く
民法32条第1項―現行条文本文
失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。
この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
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民法561条―現行条文本文
第五百六十一条 (他人の権利の売買における売主の義務)
他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
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p3 /
Aが現に生存しているとの理由で失踪宣告が取り消され、前記各売買契約の当時、BはAの生存を知っていたが、Cはその事実を知らなかった場合において、CがBから甲土地の引き渡しを受けて平穏かつ公然に現在まで占有を継続しているときは、CはAに対し甲土地を返還する必要はない。
Bが生存を知っていたので甲土地売買は他人物売買となるが、CはBから引渡しを受けて平穏公然に10年以上占有を継続しているので、取得時効により所有権を取得し得る。したがってAへの返還は不要となる。
根拠条文:民法32条第1項・e-Govで法令を開く民法561条・e-Govで法令を開く民法162条第2項・e-Govで法令を開く
民法32条第1項―現行条文本文
失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。
この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
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民法561条―現行条文本文
第五百六十一条 (他人の権利の売買における売主の義務)
他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
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民法162条第2項―現行条文本文
十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
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p4 /
Aが現に生存しているとの理由で失踪宣告が取り消された場合、B及びEが婚姻時にAの生存を知っていたときは、A B間の婚姻が復活し、B E間の婚姻は当然無効となる。
失踪宣告取消しで当然にA-B婚姻が復活するわけではない。また、BとEの婚姻は重婚として直ちに当然無効とはならず、別途婚姻取消しの問題となる。
根拠条文:民法732条・e-Govで法令を開く民法744条第1項・e-Govで法令を開く民法744条第2項・e-Govで法令を開く民法742条・e-Govで法令を開く
民法732条―現行条文本文
第七百三十二条 (重婚の禁止)
配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。
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民法744条第1項―現行条文本文
第七百三十一条、第七百三十二条及び第七百三十四条から第七百三十六条までの規定に違反した婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から、その取消しを家庭裁判所に請求することができる。
ただし、検察官は、当事者の一方が死亡した後は、これを請求することができない。
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民法744条第2項―現行条文本文
第七百三十二条の規定に違反した婚姻については、前婚の配偶者も、その取消しを請求することができる。
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民法742条―現行条文本文
第七百四十二条 (婚姻の無効)
婚姻は、次に掲げる場合に限り、無効とする。
一 人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき。
二 当事者が婚姻の届出をしないとき。
ただし、その届出が第七百三十九条第二項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻は、そのためにその効力を妨げられない。
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p5 /
Aが現に生存しているとの理由で失踪宣告が取り消された場合、Bは、前記各売買契約の当時、Aの生存を知らなかったときは、Cから受領した代金のうち、遊興費として費消した金額をAに返還する必要はない。
失踪宣告取消しでは、財産を得た者は現に利益を受けている限度で返還する。遊興費として既に費消して現存しない部分は利益が残っていないので返還不要。
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民法32条第2項―現行条文本文
失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。
ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。
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