民事訴訟法 第297問
教材: 民事訴訟法②
予備試験 H27 第37問
論点: 通常共同訴訟
問題
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賃貸人が自己所有の建物を賃借人に賃貸していたところ、賃借人の無断転貸の事実が判明したため、賃貸人が原告となり、賃借人に対しては無断転貸による解除を理由とする賃貸借契約の終了に基づく建物明渡しを、転借人に対しては所有権に基づく建物明渡しを、それぞれ求める訴えを併合提起した。この訴訟(以下「本訴」という。)について、次の1から5までの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
公式解答
3
正誤・解説
p1 /
訴状等を受領した転借人が最初の口頭弁論期日に答弁書その他の準備書面を提出しないで欠席したときは、裁判所は、弁論を分離し、転借人に対する建物明渡請求を認容する判決をすることができる。
解説は、賃借人と転借人への請求はいずれも通常共同訴訟であり、共同訴訟人独立の原則が妥当するとする。よって、転借人の欠席を理由にその請求だけを分離審理し認容判決をすることができる。
根拠条文:民事訴訟法39条・e-Govで法令を開く民事訴訟法159条第1項・e-Govで法令を開く民事訴訟法254条第1項第1号・e-Govで法令を開く
民事訴訟法39条―現行条文本文
第三十九条 (共同訴訟人の地位)
共同訴訟人の一人の訴訟行為、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為及び共同訴訟人の一人について生じた事項は、他の共同訴訟人に影響を及ぼさない。
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民事訴訟法159条第1項―現行条文本文
当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。
ただし、弁論の全趣旨により、その事実を争ったものと認めるべきときは、この限りでない。
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民事訴訟法254条第1項第1号―現行条文本文
一 被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合
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p2 /
賃借人が取調べを申し出た証人が、賃借人が転貸借について承諾した事実を証言したときは、当該証言は、転借人に対する建物明渡請求についても、転借人の援用を要することなく証拠資料となる。
解説は、共同訴訟人の一人が提出した証拠は、他の共同訴訟人との関係でも証拠として用いることができるという証拠共通の原則を採るとしている。したがって、転借人の援用は不要。
p3 /
訴訟代理人によって代理されていない賃借人が訴訟係属中に死亡したときは、転借人に対する建物明渡請求訴訟も中断する。
解説は、賃借人と転借人への請求は通常共同訴訟であり、共同訴訟人独立の原則が妥当するとする。したがって、一方当事者の死亡による訴訟中断が他方の訴訟に当然及ぶわけではなく、本肢は誤り。
根拠条文:民事訴訟法124条第1項・e-Govで法令を開く民事訴訟法124条第1項第1号・e-Govで法令を開く
民事訴訟法124条第1項―現行条文本文
次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。
この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。
一 当事者の死亡
相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者
二 当事者である法人の合併による消滅
合併によって設立された法人又は合併後存続する法人
三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅
法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者
四 次のイからハまでに掲げる者の信託に関する任務の終了
当該イからハまでに定める者
五 一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失
同一の資格を有する者
六 選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失
選定者の全員又は新たな選定当事者
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民事訴訟法124条第1項第1号―現行条文本文
一 当事者の死亡
相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者
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p4 /
賃借人は、本訴提起に先立ち、転借人が建物の占有を他に移転することに備えて、転借人に対し、占有移転禁止の仮処分を申し立てることができる。
解説は、仮処分命令の申立ての目的達成のため、債務者に一定行為を命じ又は禁止し得ること、また占有移転禁止の仮処分の執行後は債権者が条項に基づき引渡・明渡の強制執行をできることを示している。
根拠条文:民事訴訟法24条・e-Govで法令を開く民事訴訟法63条第1項・e-Govで法令を開く
民事訴訟法24条―現行条文本文
第二十四条 (裁判官の忌避)
裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。
当事者は、裁判官の面前において弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。
ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。
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民事訴訟法63条第1項―現行条文本文
当事者が適切な時期に攻撃若しくは防御の方法を提出しないことにより、又は期日若しくは期間の不遵守その他当事者の責めに帰すべき事由により訴訟を遅滞させたときは、裁判所は、その当事者に、その勝訴の場合においても、遅滞によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。
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p5 /
賃借人に対する建物明渡請求において、賃借人の転貸借が賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があることを基礎付ける事実は、賃借人が主張立証責任を負う。
解説は、特段の事情の存在は土地の賃借人側において主張・立証すべきものとする判例を引用している。したがって、本肢は判例に沿う。
根拠条文:民法612条第2項・e-Govで法令を開く
民法612条第2項―現行条文本文
賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。
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全体要旨
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