憲法 第242問
教材: 憲法②
司法試験 H18 第19問
論点: 第17条と国家賠償法
問題
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憲法第17条及び国家賠償法に関する次のアからオまでの各記述について、明らかに誤っているものの二つの組合せを、後記1から10までの中から選びなさい。
公式解答
6. イとエ
正誤・解説
p1 /
憲法第17条にいう「不法行為」は、民法上の「不法行為」と同義であると解し、かつ、公権力の行使について損害賠償請求をするには民法以外の特別の法律が必要であるとの見解がある。この見解によれば、国家賠償法第1条を改正し、公務員に故意がある場合にのみ賠償請求権が発生すると定めた場合、当該改正は憲法違反であると解される。
説明文では、憲法17条の「不法行為」を民法上と同義にとらえたとしても、国家賠償法17条自体が直ちに憲法違反になるわけではない趣旨で、アは誤りとされている。
根拠条文:日本国憲法17条・e-Govで法令を開く民法上の「不法行為」・e-Govを開く国家賠償法17条・e-Govで法令を開く
日本国憲法17条―現行条文本文
第十七条
何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
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p2 /
憲法第17条を受けて制定された国家賠償法第1条は、公務員の不法行為に基づく国又は公共団体の責任を定めている。論理的には、この責任につき、国又は公共団体の自己責任であると解すると、公務員個人に対する賠償請求権は否定され、他方、代位責任であると解すると、公務員個人に対する賠償請求権は否定されないということになる。
説明文では、国家賠償法1条1項は公務員個人の責任を否定するものではなく、自己責任/代位責任の整理だけで公務員個人への請求権の有無を論じるのは不正確として、イは誤りとされている。
根拠条文:日本国憲法17条・e-Govで法令を開く国家賠償法1条・e-Govで法令を開く国家賠償法1条第1項・e-Govで法令を開く
日本国憲法17条―現行条文本文
第十七条
何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
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国家賠償法1条―現行条文本文
第一条
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
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国家賠償法1条第1項―現行条文本文
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
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p3 /
憲法第17条及び国家賠償法第1条にいう「公務員」には、国会議員も含まれると解され、憲法第51条に定める国会議員の免責特権との関係が問題となる。この点、国家賠償法第1条第1項の適用上、国会議員個人ではなく、国会自体について、その組織的行為の評価を論じれば足りると解する立場を採れば、憲法第51条は、国会の不法行為を理由とする国家賠償責任追及の法的法障とはならない。
説明文では、国会議員の立法行為は国家賠償法上の違法性判断と憲法51条の関係で問題となるが、国会自体の組織的行為の評価に置き換えても憲法51条が当然に障害にならないとはいえず、ウは誤りとされている。
根拠条文:日本国憲法17条・e-Govで法令を開く国家賠償法1条第1項・e-Govで法令を開く日本国憲法51条・e-Govで法令を開く
日本国憲法17条―現行条文本文
第十七条
何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
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国家賠償法1条第1項―現行条文本文
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
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日本国憲法51条―現行条文本文
第五十一条
両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
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p4 /
国会議員は、憲法を尊重し擁護する義務を負っているので、違憲の法律を制定してはならないという行為規範の遵守義務が課されている。したがって、国会において議決された法律が違憲であれば、立法過程における国会議員の立法活動の当否にかかわらず、当該立法行為は、国家賠償法第1条第1項の適用上も違法となるとするのが、最高裁判所の基本的な考え方である。
説明文では、立法行為が違憲でも直ちに国家賠償法上の違法とはならず、議員の立法過程での行為が職務上の法的義務に反したかなどが問題になるとして、エは誤りとされている。
根拠条文:日本国憲法99条・e-Govで法令を開く国家賠償法1条第1項・e-Govで法令を開く
日本国憲法99条―現行条文本文
第九十九条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
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国家賠償法1条第1項―現行条文本文
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
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p5 /
憲法第17条は、「国家無答責の原則」を否定する趣旨の規定であるが、国民に生じたあらゆる損害を国が賠償することまで定めたものではない。例えば、最高裁判所は、内閣等が物価安定という政策目標の達成への対応を誤りインフレを促進した場合、これにより国民に損害が生じても、直ちに国家賠償法上の損害賠償責任の問題は生じない旨判示した。
説明文では、17条は国家無答責を否定するが、あらゆる損害を当然に賠償させる趣旨ではないとされ、政策判断に伴う損害については直ちに国賠責任を認めないとして、オは正しい。
根拠条文:日本国憲法17条・e-Govで法令を開く国家賠償法上の損害賠償責任・e-Govを開く
日本国憲法17条―現行条文本文
第十七条
何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
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全体要旨
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