憲法 第196問
教材: 憲法②
司法試験 H30 第5問
論点: インターネットと名誉毀損
問題
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「インターネットの利用者は、自己の見解を外部に向かって発信することができるから、インターネットを利用している被害者は、自己に向けられた加害者のインターネット上の表現行為に対し、言論による反論が可能である。したがって、インターネットの利用者が名誉毀損の表現行為をした場合には、新聞などのマス・メディアを通じた表現の場合よりも、名誉毀損罪の成立する範囲を限定すべきである。」
公式解答
1211
正誤・解説
ア /
この見解に対しては、インターネット上の全ての情報を知ることは不可能であり、自己の名誉を毀損する表現が存在することを知らない被害者に対して反論を要求すること自体、そもそも不可能である、という批判があり得る。
見解の前提は、被害者がインターネット上の表現に対して反論できることだが、実際には全ての情報を把握できず、侵害を知らない被害者に反論を求めるのは困難である、という批判は成り立つ。
根拠条文:日本国憲法21条第1項・e-Govで法令を開く
日本国憲法21条第1項―現行条文本文
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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イ /
言論の応酬により当不当を判断することができるのは意見や論評であって、事実の摘示による名誉毀損の場合には、被害者と加害者が言論の応酬をしても、インターネット利用者は真偽を判断することができないという指摘は、この見解の根拠となり得る。
反論による調整が有効なのは主に意見・論評であり、事実の真偽判断は言論の応酬だけでは困難であるため、むしろこの見解を支えるというより弱める方向の指摘である。
根拠条文:日本国憲法21条第1項・e-Govで法令を開く
日本国憲法21条第1項―現行条文本文
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
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ウ /
この見解に対しては、インターネット上に載せた情報は、不特定多数の利用者が瞬時に閲覧可能となり、全世界に伝播される可能性もあることから、被害者のインターネット上の反論によって名誉の回復が図られる保証もない、という批判があり得る。
インターネット上の情報は拡散が速く広範囲に及ぶため、被害者が同じ場で反論しても名誉回復につながるとは限らない、という批判は妥当である。
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エ /
言論による侵害に対しては、言論で対抗するのが表現の自由の基本原則であり、被害者が加害者に対し十分な反論ができ、功を奏するのであれば、被害者の社会的評価が害されるおそれはないという指摘は、この見解の根拠となり得る。
表現への対抗は表現で行うべきだという発想は、この見解の核心に合致する。十分な反論が可能なら、名誉侵害の回復も期待できるとの考え方である。
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全体要旨
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