商法 第125問
教材: 商法①
プレ-40 改(改)
論点: 取締役が欠けた場合
問題
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ア.取締役解任の訴えの提起に伴う当事者の申立てによって、裁判所がその取締役の職務執行の停止と職務代行者の選任を決定した場合、職務代行者は取締役と同一の権限を有する。
イ.株式会社の代表取締役が死亡して欠員となっている場合、この会社を訴えようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し立てることができる。
ウ.取締役が会社法違反の罪によって刑に処せられた場合、その取締役は地位を失うが、仮取締役の選任が行われない限り、後任者が就職するまで、引き続き取締役としての権利義務を有する。
エ.代表取締役は、取締役としての任期が満了した場合に代表取締役の地位も失うが、他に代表取締役がいなくなるときは、仮代表取締役の選任が行われない限り、後任者が就職するまで、引き続き代表取締役としての権利義務を有する。
オ.株式会社が破産した場合、会社は解散するが定款に別段の定めがあるとき又は株主総会で他人を選任したときを除いて、取締役は清算人になる。
公式解答
4. イ、エ
正誤・解説
p1 /
取締役解任の訴えの提起に伴う当事者の申立てによって、裁判所がその取締役の職務執行の停止と職務代行者の選任を決定した場合、職務代行者は取締役と同一の権限を有する。
解説では、民事保全法56条に基づく仮処分命令で選任された職務代行者について、取締役又は代表取締役の職務を代行する者とされ、同一の権限とまではいえないとしています。
根拠条文:民事保全法56条・e-Govを開く民事保全法52条第1項・e-Govを開く
民事保全法56条―現行条文本文
第五十六条 (法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登記の嘱託)
法人を代表する者その他法人の役員として登記された者について、その職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされた場合には、裁判所書記官は、法人の本店又は主たる事務所の所在地(外国法人にあっては、各事務所の所在地)を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。
ただし、これらの事項が登記すべきものでないときは、この限りでない。
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民事保全法52条第1項―現行条文本文
仮処分の執行については、この節に定めるもののほか、仮差押えの執行又は強制執行の例による。
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p2 /
株式会社の代表取締役が死亡して欠員となっている場合、この会社を訴えようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し立てることができる。
民訴法37条で法人の代表者に関する規定が準用され、同35条1項により、代表者がない場合などには、遅滞による損害のおそれを疎明して特別代理人選任を申し立てられます。
根拠条文:民事訴訟法37条・e-Govで法令を開く民事訴訟法35条第1項・e-Govで法令を開く
民事訴訟法37条―現行条文本文
第三十七条 (法人の代表者等への準用)
この法律中法定代理及び法定代理人に関する規定は、法人の代表者及び法人でない社団又は財団でその名において訴え、又は訴えられることができるものの代表者又は管理人について準用する。
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民事訴訟法35条第1項―現行条文本文
法定代理人がない場合又は法定代理人が代理権を行うことができない場合において、未成年者又は成年被後見人に対し訴訟行為をしようとする者は、遅滞のため損害を受けるおそれがあることを疎明して、受訴裁判所の裁判長に特別代理人の選任を申し立てることができる。
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p3 /
取締役が会社法違反の罪によって刑に処せられた場合、その取締役は地位を失うが、仮取締役の選任が行われない限り、後任者が就職するまで、引き続き取締役としての権利義務を有する。
会社法331条1項・3号により欠格事由に当たり取締役となれませんが、346条1項の「欠けた場合」は解任・辞任等を前提とするため、刑に処せられた場合には当然に同条の権利義務は続きません。
根拠条文:会社法331条第1項・e-Govで法令を開く会社法331条第3号・e-Govで法令を開く会社法346条第1項・e-Govで法令を開く
会社法331条第1項―現行条文本文
次に掲げる者は、取締役となることができない。
一 法人
二 削除
三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一項第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
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会社法331条第3号―現行条文本文
第三百三十一条 (取締役の資格等)
次に掲げる者は、取締役となることができない。
一 法人
二 削除
三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一項第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。
ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。
監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。
指名委員会等設置会社の取締役は、当該指名委員会等設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない。
取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。
監査等委員会設置会社においては、監査等委員である取締役は、三人以上で、その過半数は、社外取締役でなければならない。
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会社法346条第1項―現行条文本文
役員(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役若しくはそれ以外の取締役又は会計参与。以下この条において同じ。)が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
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p4 /
代表取締役は、取締役としての任期が満了した場合に代表取締役の地位も失うが、他に代表取締役がいなくなるときは、仮代表取締役の選任が行われない限り、後任者が就職するまで、引き続き代表取締役としての権利義務を有する。
351条1項により、代表取締役が欠けた場合や定数不足の場合には、後任者が就職するまで権利義務を有します。さらに同条2項で、必要があるときは裁判所が一時代表取締役を選べます。
根拠条文:会社法351条第1項・e-Govで法令を開く会社法351条第2項・e-Govで法令を開く
会社法351条第1項―現行条文本文
代表取締役が欠けた場合又は定款で定めた代表取締役の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した代表取締役は、新たに選定された代表取締役(次項の一時代表取締役の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表取締役としての権利義務を有する。
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会社法351条第2項―現行条文本文
前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表取締役の職務を行うべき者を選任することができる。
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p5 /
株式会社が破産した場合、会社は解散するが定款に別段の定めがあるとき又は株主総会で他人を選任したときを除いて、取締役は清算人になる。
破産による場合は清算手続は行われず、取締役が当然に清算人になるわけではありません。解説でも、破産の際には通常破産管財人が選任されるとしています。
根拠条文:会社法471条第5号・e-Govで法令を開く会社法475条第1号・e-Govで法令を開く会社法417条第1項・e-Govで法令を開く会社法478条第1項第1号・e-Govで法令を開く会社法478条第2項・e-Govで法令を開く
会社法471条第5号―現行条文本文
第四百七十一条 (解散の事由)
株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。
一 定款で定めた存続期間の満了
二 定款で定めた解散の事由の発生
三 株主総会の決議
四 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
五 破産手続開始の決定
六 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判
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会社法475条第1号―現行条文本文
第四百七十五条 (清算の開始原因)
株式会社は、次に掲げる場合には、この章の定めるところにより、清算をしなければならない。
一 解散した場合(第四百七十一条第四号に掲げる事由によって解散した場合及び破産手続開始の決定により解散した場合であって当該破産手続が終了していない場合を除く。)
二 設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
三 株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合
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会社法417条第1項―現行条文本文
指名委員会等設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、指名委員会等がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる。
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会社法478条第1項第1号―現行条文本文
一 取締役(次号又は第三号に掲げる者がある場合を除く。)
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会社法478条第2項―現行条文本文
前項の規定により清算人となる者がないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、清算人を選任する。
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