刑法 第443問
教材: 刑法③
司法試験 H30 第2問(改)
論点: 犯罪の成否①
問題
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公式解答
5. エ オ
正誤・解説
p1 /
甲は、同僚Aを会社の備品倉庫内に閉じ込めて困らせようと考え、午後7時頃、Aが一人で作業をしていた同倉庫の全ての出入口扉に外側から鍵を掛けた。Aはそのことに気付かず、もともと同倉庫で深夜遅くまで仕事をするつもりであったので、そのまま作業を続けていたところ、午後10時頃、たまたま同倉庫にやって来た他の従業員が出入口扉の鍵を開けた。この場合、甲には監禁罪は成立し得ない。
監禁罪は人を一定区域から脱出できないようにして自由を拘束すれば足り、被害者が不安を感じているかは関係ない。鍵を外から掛けて自由を拘束しているので、成立し得る。
根拠条文:刑法220条・e-Govで法令を開く
刑法220条―現行条文本文
第二百二十条 (逮捕及び監禁)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲は、別居中の元妻Aが単独で親権を有する生後数日のBを連れ去ろうと考え、A方を訪問した上、Aがトイレに行っている際に、ベビーベッドで寝ていたBを連れ去った。この場合、Bには移動の自由が全くないから、甲には未成年者略取罪は成立し得ない。
未成年者略取罪は、未成年者を自己の実力内に移して監護権を侵害すれば足り、被害者自身の移動の自由の有無は要件ではない。親権者が一人でも、監護権を侵害すれば成立し得る。
根拠条文:刑法224条・e-Govで法令を開く
刑法224条―現行条文本文
第二百二十四条 (未成年者略取及び誘拐)
未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
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p3 /
甲は、捜査車両をのぞき見して同車両のナンバーを把握するため、警察署の建物及び敷地への外部からの立入りを制限するとともに内部をのぞき見ることができない構造として作用し、建物の利用のために供されている高さ約2.5メートルのコンクリート塀を正当な理由なくよじ登り、その上部に立って同警察署の敷地内の捜査車両を見て立ち去った。この場合、甲には建造物侵入罪は成立し得ない。
建造物侵入罪の「建造物」には、建物の利用のために供される工作物としてその一部を構成する塀も含まれ、塀をよじ登って敷地内に立ち入る行為は侵入に当たる。
根拠条文:刑法130条・e-Govで法令を開く
刑法130条―現行条文本文
第百三十条 (住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
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p4 /
甲は、Aに恨みを抱き、「ふざけるな。おまえの妻Bを酷い目に遭わさせてやる。」という電子メールをA宛てに送り付けた。BがAの内縁の妻であった場合、甲に脅迫罪は成立しない。
脅迫罪の「親族」は民法上の親族をいうので、内縁の配偶者は含まれない。したがって、内縁の妻Bに対する害悪告知では脅迫罪は成立しない。
根拠条文:刑法222条第2項・e-Govで法令を開く民法725条・e-Govで法令を開く
刑法222条第2項―現行条文本文
親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
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民法725条―現行条文本文
第七百二十五条 (親族の範囲)
次に掲げる者は、親族とする。
一 六親等内の血族
二 配偶者
三 三親等内の姻族
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p5 /
甲は、深夜、A方に侵入し、泥酔して熟睡中のAにわいせつ行為をして、Aに全く気付かれないままA方を出た後、A方から約100メートル離れた路上で、警ら中の警察官Bから職務質問を受けたため、逮捕を免れる目的で、Bを拳骨で殴打してBに傷害を負わせた。この場合、甲には不同意わいせつ致傷罪は成立し得ない。
不同意わいせつ致傷は、不同意わいせつ行為に随伴して生じた傷害をいう。行為後に逃走のため警察官を殴って負傷させた傷害は、わいせつ行為に随伴するものではないので成立しない。
根拠条文:刑法176条第1項・e-Govで法令を開く刑法181条第1項・e-Govで法令を開く
刑法176条第1項―現行条文本文
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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刑法181条第1項―現行条文本文
第百七十六条若しくは第百七十九条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の拘禁刑に処する。
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全体要旨
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