刑法 第384問
教材: 刑法③
司法試験 R02 第12問
論点: 偽造罪
問題
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公式解答
3
正誤・解説
1 /
甲は、乙から、大学の入学試験を代わりに受けてほしいと頼まれてこれを引き受け、乙に成り済まして入学試験を受け、乙名義で答案を作成して提出した。この場合、甲に有印私文書偽造罪が成立する。
入学試験の答案は、受験者の学力を示して合否判定に用いられる文書であり、事実証明に関する文書に当たるとする判例の立場。したがって、有印私文書偽造罪ではなく、1は誤り。
根拠条文:刑法159条第1項・e-Govで法令を開く
刑法159条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
一 他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為
二 他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
甲は、架空請求により金銭をだまし取るために使おうと考え、実在しない「法務局民事訴訟管理センター」名義で、契約不履行による民事訴訟が提起されているので連絡をされたし旨記載されたはがきを印刷し、一般人をして実在する公務所が権限内で作成した公文書であると誤信させるに足りる程度の形式・外観を備えた文書を作成した。この場合、甲に有印公文書偽造罪が成立する。
実在しない公務所名義でも、一般人をして真正な公文書と誤信させるに足りる形式・外観があれば、公文書偽造に当たるとする判例の立場。したがって、2は正しい。
根拠条文:刑法155条第1項・e-Govで法令を開く
刑法155条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 公務所若しくは公務員の印章若しくは署名(以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において「印章等」という。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画(以下この章において「文書等」という。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書等を偽造する行為
二 公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等(印章等として表示されることとなる電磁的記録をいう。以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において同じ。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等(文書等として表示されて行使されることとなる電磁的記録をいう。以下この章において同じ。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等を偽造する行為
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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3 /
甲は、X市立病院の事務長を務める公務員であるが、同病院のために発注書を作成する権限を授与されていないのに、行使の目的で、同病院が業者Aに医療器具を発注していないにもかかわらず、それを発注した旨を記載した内容虚偽の「X市立病院事務長甲」名義の発注書を作成した。この場合、甲に虚偽有印公文書作成罪が成立する。
作成権限がない公務員が、公務所・公務員名義の公文書を内容虚偽で作成しても、まずは刑法155条1項の公文書偽造罪が問題となり、156条の虚偽有印公文書作成罪は成立しないとする判例の立場。
根拠条文:刑法155条第1項・e-Govで法令を開く刑法156条・e-Govで法令を開く
刑法155条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 公務所若しくは公務員の印章若しくは署名(以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において「印章等」という。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画(以下この章において「文書等」という。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書等を偽造する行為
二 公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等(印章等として表示されることとなる電磁的記録をいう。以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において同じ。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等(文書等として表示されて行使されることとなる電磁的記録をいう。以下この章において同じ。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等を偽造する行為
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刑法156条―現行条文本文
第百五十六条 (虚偽公文書作成等)
公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書等若しくは電磁的記録文書等を作成し、又は文書等若しくは電磁的記録文書等を変造したときは、印章等又は電磁的記録印章等の有無により区別して、前二条の例による。
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4 /
甲は、支払督促制度を悪用して乙の財産を不正に差し押さえるなどして金銭を得ようと考え、乙に対する内容虚偽の支払督促を簡易裁判所に申し立てた上、乙宛の支払督促正本等を配達しようとした郵便配達員に対し、乙本人を装い、郵便送達報告書の「受領者の押印又は署名」欄に乙の氏名を記載して提出し、支払督促正本等を受領した。この場合、甲に有印私文書偽造罪が成立する。
郵便送達報告書の受領者欄への他人名義記載は、受領書を偽造したものとみられ、有印私文書偽造罪が成立するとする判例の立場。4は正しい。
根拠条文:刑法159条第1項・e-Govで法令を開く
刑法159条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
一 他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為
二 他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
甲は、消費者金融業者に提出する目的で、公文書である乙の国民健康保険被保険者証の氏名欄に自己の氏名が印刷された紙を貼り付けた上で、複写機を使用してこれをコピーし、一般人をして甲の国民健康保険被保険者証の真正なコピーであると誤信させるに足りる程度の形式・外観を備えたものを作成した。この場合、甲に有印公文書偽造罪が成立する。
原本の写真コピー等は、原本と同様の社会的機能・信用性を有する限り、公文書偽造罪の客体になりうるとする判例の立場。原本を悪用してその真正なコピーを装う場合も同様に偽造に当たるとして、5は正しい。
根拠条文:刑法155条第1項・e-Govで法令を開く
刑法155条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 公務所若しくは公務員の印章若しくは署名(以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において「印章等」という。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画(以下この章において「文書等」という。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書等を偽造する行為
二 公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等(印章等として表示されることとなる電磁的記録をいう。以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において同じ。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等(文書等として表示されて行使されることとなる電磁的記録をいう。以下この章において同じ。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等を偽造する行為
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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全体要旨
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