刑法 第379問
教材: 刑法③
司法試験 H21 第9問
論点: 文書偽造罪
問題
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公式解答
正解 / 2 / 5
正誤・解説
1 /
甲は、行使の目的で、乙を債務者とする乙名義の金銭借用証を勝手に作成した。同借用証に乙の氏名の記載はあるが、その押印がなかった場合、甲には有印私文書偽造罪が成立する。
借用証に乙の氏名が記載されていても、押印がない以上、文書は有印私文書に当たらず、有印私文書偽造罪は成立しない。
根拠条文:刑法159条第1項・e-Govで法令を開く
刑法159条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
一 他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為
二 他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
甲は、氏名を隠してA会社に就職しようと考え、同社に提出する目的で、履歴書用紙に、架空の氏名として「乙」などと記載し、その氏名の横に「乙」と刻した印鑑を押した上、甲自身の顔写真をはり付けた履歴書を作成した。甲がA会社に就職して勤務する意思を有していた場合でも、履歴書の作成名義人と作成者との人格の同一性にそこがあるので、甲には有印私文書偽造罪が成立する。
判例は、表示された名義人と作成者との人格の同一性に着目する。作成者が自分を別人に見せるために架空名義の履歴書を作れば、作成名義人と作成者の同一性に欠け、有印私文書偽造となる。
根拠条文:刑法159条第1項・e-Govで法令を開く
刑法159条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
一 他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為
二 他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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3 /
甲は、A会社の経理担当者として、同社のパソコン記憶装置内の会計簿ファイルにデータを入力する権限を有していたが、自らの横領行為を隠ぺいするため、同ファイルに虚偽のデータを入力して記憶させた。甲は、私電磁的記録である同ファイルにデータを入力する権限を有しているので、甲には私電磁的記録不正作出罪は成立しない。
入力権限があることだけでは足りず、事務処理を誤らせる目的で虚偽データを作成・記録させれば私電磁的記録不正作出罪が成立する。
根拠条文:刑法161条の2第1項・e-Govで法令を開く
刑法161条の2第1項―現行条文本文
人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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4 /
公務員でない甲は、行使の目的で、虚偽の内容を記載した証明願を村役場の係員に提出し、情を知らない同係員として村長名義の虚偽の証明書を作成させた。甲は、情を知らない同係員を利用して虚偽の公文書を作成しているので、甲には虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する。
非公務員が情を知らない公務員を利用して虚偽公文書を作成させても、直ちに虚偽公文書作成罪の間接正犯とはならず、別途の処罰関係が問題となる。
根拠条文:刑法156条・e-Govで法令を開く刑法157条第1項・e-Govで法令を開く刑法157条第2項・e-Govで法令を開く
刑法156条―現行条文本文
第百五十六条 (虚偽公文書作成等)
公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書等若しくは電磁的記録文書等を作成し、又は文書等若しくは電磁的記録文書等を変造したときは、印章等又は電磁的記録印章等の有無により区別して、前二条の例による。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法157条第1項―現行条文本文
公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法157条第2項―現行条文本文
公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札若しくは旅券に不実の記載をさせ、又は電磁的記録文書等その他の電磁的記録であって、免状、鑑札若しくは旅券の全部若しくは一部として用いられるものに不実の記録をさせた者は、一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
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5 /
Aの代理人でない甲は、行使の目的で、「A代理人甲」と署名し、その横に「甲」と刻した印鑑を押してA所有の不動産の売買契約書を作成した。同契約書については、Aが作成名義人であるので、甲には有印私文書偽造罪が成立する。
代理権のない者が代理人を装って契約書を作成すると、名義人は代理表示された本人とみられる。したがって、本人名義の文書として有印私文書偽造が成立する。
根拠条文:刑法159条第1項・e-Govで法令を開く
刑法159条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
一 他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為
二 他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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全体要旨
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