刑法 第358問
教材: 刑法③
司法試験 H18 第19問
論点: 放火罪
問題
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公式解答
ア / 〇 / イ / 〇 / ウ / × / エ / ×
正誤・解説
A /
甲は、木造アパートの空室の壁際に置いてあったダンボール箱に火をつけ、火を板壁に燃え移らせて放火したが、板壁の一部を焼損した時点で、アパートの住民に消し止められた。甲は、そのアパートに人が居住している部屋があることを認識していたが、人が居住する部屋に延焼するかもしれないとは認識しておらず、空室のみを焼損するつもりだった。甲に現住建造物等放火既遂が成立する。
木造アパートは、空室であっても人が居住する部屋を含めて全体として「現に人が住居に使用する建造物」に当たりうる。空室の壁板を焼損した時点で既遂が認められる。
根拠条文:刑法108条・e-Govで法令を開く
刑法108条―現行条文本文
第百八条 (現住建造物等放火)
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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B /
甲は、家屋の居住者全員を殺害した後、証拠を隠滅するためにその家屋を焼失させようと考え、室内の布団に放火したが、布団を焼損した時点で、隣家の住民に消し止められた。甲に非現住建造物等放火未遂罪が成立する。
居住者を殺害後、証拠隠滅目的で家屋に放火した事案では、現在の住人がいなくても刑法109条の対象になりうる。布団を焼損した段階で既遂にならず、未遂にとどまる。
根拠条文:刑法109条第1項・e-Govで法令を開く刑法112条・e-Govで法令を開く刑法109条第2項・e-Govで法令を開く
刑法109条第1項―現行条文本文
放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法112条―現行条文本文
第百十二条 (未遂罪)
第百八条及び第百九条第一項の罪の未遂は、罰する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法109条第2項―現行条文本文
前項の物が自己の所有に係るときは、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。
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C /
甲は、妻と二人で自宅に居住していたが、甲の意図を知らない妻の旅行中、火災保険金を詐取する目的で自宅に放火して全焼させた。甲は、隣家に延焼することは予期していなかったが、隣家も延焼した。甲に延焼罪が成立する。
自宅が現住建造物に当たる以上、まず現住建造物等放火が問題となるが、延焼罪は自分の現住建造物等放火については成立しない。隣家に延焼しても、ここでは延焼罪は成立しない。
根拠条文:刑法111条第1項・e-Govで法令を開く刑法108条・e-Govで法令を開く刑法109条第2項・e-Govで法令を開く刑法109条第1項・e-Govで法令を開く
刑法111条第1項―現行条文本文
第百九条第二項又は前条第二項の罪を犯し、よって第百八条又は第百九条第一項に規定する物に延焼させたときは、三月以上十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法108条―現行条文本文
第百八条 (現住建造物等放火)
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法109条第2項―現行条文本文
前項の物が自己の所有に係るときは、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。
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刑法109条第1項―現行条文本文
放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、二年以上の有期拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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D /
甲は、宿泊していたホテルの部屋に放火しようと考え、窓のカーテンに火をつけたが、カーテンを焼損した時点で、従業員に消し止められた。甲に現住建造物等放火既遂罪が成立する。
ホテルの客室は「現に人が住居に使用」する建造物に当たりうるが、カーテンは、建物の一部として直ちに焼損しなくてもそれ自体は独立の物として扱われる。建造物の一部の焼損とはいえず、既遂にならない。
根拠条文:刑法108条・e-Govで法令を開く
刑法108条―現行条文本文
第百八条 (現住建造物等放火)
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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