刑法 第243問
教材: 刑法②
司法試験 R05 第6問(改)
論点: 不同意性交等罪
問題
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公式解答
22122
正誤・解説
p1 /
不同意わいせつ罪は、暴行又は脅迫を用いて相手方の反抗を著しく困難にしてわいせつな行為をした場合に成立するから、不意をついて相手方の陰部に触れた場合には、同罪が成立しない。
不同意わいせつ罪は、暴行・脅迫型に限られず、不同意の意思形成等が困難な状態に乗じたわいせつ行為も含む。したがって、不意打ちで陰部に触れた場合でも直ちに不成立とはいえない。
根拠条文:刑法176条第1項・e-Govで法令を開く刑法176条第1項第1号・e-Govで法令を開く刑法176条第1項第5号・e-Govで法令を開く
刑法176条第1項―現行条文本文
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
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刑法176条第1項第1号―現行条文本文
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
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刑法176条第1項第5号―現行条文本文
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
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p2 /
不同意性交の目的で、相手方の顔面を数回殴る暴行を加え、同人に鼻骨骨折の傷害を負わせたが、そのまま同人に逃げられたため、性交するに至らなかった場合には、不同意性交等未遂罪と傷害罪が成立し、両罪は観念的競合となるので、不同意性交等致傷罪は成立しない。
判例・解説は、不同意性交等の手段としての暴行等により傷害が生じた場合、不同意性交等致傷罪が成立し、傷害罪と観念的競合にならないとしている。未遂との関係も含め、設問は誤り。
根拠条文:刑法177条第1項・e-Govで法令を開く刑法181条第2項・e-Govで法令を開く
刑法177条第1項―現行条文本文
前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法181条第2項―現行条文本文
第百七十七条若しくは第百七十九条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の拘禁刑に処する。
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p3 /
13歳の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした場合には、暴行又は脅迫を用いた場合でなくとも監護者わいせつ罪が成立する。
監護者わいせつ罪は、18歳未満の者に対し、現に監護する者であることによる影響力に乗じてわいせつ行為をした場合に成立し、暴行・脅迫は要件ではない。
根拠条文:刑法179条第1項・e-Govで法令を開く刑法176条第1項・e-Govで法令を開く
刑法179条第1項―現行条文本文
十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条第一項の例による。
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刑法176条第1項―現行条文本文
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
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p4 /
不同意わいせつ罪は、被害者の名誉等を保護する観点から親告罪とされているから、告訴がなければ公訴を提起できない。
不同意わいせつ罪は親告罪ではない。被害者の名誉保護を理由に告訴を要するとする説明は誤りで、告訴なしでも公訴提起できる。
根拠条文:刑法176条・e-Govで法令を開く
刑法176条―現行条文本文
第百七十六条 (不同意わいせつ)
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
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p5 /
不同意性交の目的で、殺意をもって、強度の暴行を加えた上で相手方と性交し、同暴行により、同人を死亡させた場合には、不同意性交等致死罪のみが成立する。
同種事案では、不同意性交等致死罪と殺人罪の成立が問題となり、両者は観念的競合として処理される。設問のように不同意性交等致死罪のみとするのは誤り。
根拠条文:刑法181条第2項・e-Govで法令を開く刑法199条・e-Govで法令を開く刑法54条第1項・e-Govで法令を開く刑法10条・e-Govで法令を開く
刑法181条第2項―現行条文本文
第百七十七条若しくは第百七十九条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の拘禁刑に処する。
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刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法54条第1項―現行条文本文
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
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刑法10条―現行条文本文
第十条 (刑の軽重)
主刑の軽重は、前条に規定する順序による。
同種の刑は、長期の長いもの又は多額の多いものを重い刑とし、長期又は多額が同じであるときは、短期の長いもの又は寡額の多いものを重い刑とする。
二個以上の死刑又は長期若しくは多額及び短期若しくは寡額が同じである同種の刑は、犯情によってその軽重を定める。
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全体要旨
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