刑法 第201問
教材: 刑法②
司法試験 R03 第7問(改)
論点: 罪数
問題
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公式解答
4. 誤っているものの組合せ
正誤・解説
p1 /
甲は、情を知らない法務局の担当登記官Aに対し、虚偽の申立てをして登記簿の磁気ディスクに不実の記録をさせた後、当該記録の内容を閲覧可能な状態にした。この場合、甲には、電磁的公正証書原本不実記録及び同供用罪が成立し、これらは牽連犯となる。
判例は、虚偽の申立てで不実記録をさせ、さらに閲覧可能状態にした場合、公正証書原本不実記録罪とその供用罪は牽連犯ではなく、併合罪ではなくて牽連犯の関係になるとする立場ではない。
根拠条文:刑法157条第1項・e-Govで法令を開く刑法158条第1項・e-Govで法令を開く
刑法157条第1項―現行条文本文
公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法158条第1項―現行条文本文
第百五十四条から前条までの文書等若しくは電磁的記録文書等を行使し、同条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供し、又は同条第二項の電磁的記録を人の事務処理の用に供した者は、その文書等若しくは電磁的記録文書等を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書等若しくは電磁的記録文書等を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。
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p2 /
甲は、乙がA及びBをバットで順次殴打して両名を負傷させた際、これに先立ち、乙の意図を知りながら、乙にバットを手渡してそれらの犯行を幇助した。この場合、甲には、A及びBに対する2個の傷害罪の幇助犯が成立し、これらは観念的競合となる。
幇助は正犯の各行為を助けるものとして、被害者ごとに成立する。複数の傷害結果があっても、幇助行為自体は一個でも、正犯の数に応じて複数の幇助犯が成立し、観念的競合とされる。
根拠条文:刑法204条・e-Govで法令を開く刑法62条第1項・e-Govで法令を開く
刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法62条第1項―現行条文本文
正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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p3 /
甲は、A名義の預金口座から現金を引き出す目的で、AからA名義のキャッシュカードをだまし取るとともに、暗証番号を聞き出し、銀行の現金自動預払機で同キャッシュカードを使用して現金を引き出した。この場合、甲には、詐欺罪及び窃盗罪が成立し、これらは牽連犯となる。
判例は、カードをだまし取る行為とATMで現金を引き出す行為は、カードの交付・利用という別個の行為類型で、詐欺と窃盗が牽連犯になるとはしていない。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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p4 /
甲は、不同意性交の目的でA宅に侵入したが、Aが不在であったため目的を遂げられなかった。その後、甲は、居間に置かれていたA所有の腕時計を発見し、窃取しようと考えてこれを持ち去った。この場合、甲には、住居侵入罪及び窃盗罪が成立するが、これらは併合罪となる。
住居侵入は不同意性交目的での侵入として成立し、その後の腕時計持ち去りは別個の窃盗である。侵入行為と窃盗はそれぞれ独立し、牽連関係ではなく併合罪とされる。
根拠条文:刑法130条・e-Govで法令を開く刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法130条―現行条文本文
第百三十条 (住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
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第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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p5 /
甲は、身の代金を得る目的でAを拐取した後、甲の自宅に監禁し、その間にAの実父Bに対し、電話で身の代金を要求した。この場合、甲には、身の代金目的拐取罪、監禁罪及び拐取者の代金要求罪が成立し、身の代金目的拐取罪と拐取者の代金要求罪が牽連犯となり、これらの各罪と監禁罪は併合罪となる。
判例は、人を拐取した後に監禁し、その間に身の代金を要求した場合、拐取と要求は牽連関係、監禁は別罪として併合関係にあるとするが、設問文は各罪の関係整理が不適切である。
根拠条文:刑法220条・e-Govで法令を開く刑法225条の2第1項・e-Govで法令を開く刑法227条第4項・e-Govで法令を開く
刑法220条―現行条文本文
第二百二十条 (逮捕及び監禁)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
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刑法225条の2第1項―現行条文本文
近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、無期又は三年以上の拘禁刑に処する。
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刑法227条第4項―現行条文本文
第二百二十五条の二第一項の目的で、略取され又は誘拐された者を収受した者は、二年以上の有期拘禁刑に処する。
略取され又は誘拐された者を収受した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、同様とする。
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全体要旨
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