刑法 第119問
教材: 刑法①
司法試験 H20 第9問
論点: 原因において自由な行為
問題
問題画像


抽出問題文を表示
【事例】
甲は、乙を殺害しようと考えたが、しらふでは殺害行為に及ぶ勇気がなかったので、多量の飲酒により自己を心神喪失状態に陥れて隣室で就寝中の乙を刺殺しようと考え、手元に包丁を用意して飲酒を開始し、計画どおり自己が飲酒のため心神喪失になった状態で乙の胸部を包丁で突き刺して殺害した。
【会話】
A. 甲の行為は、自己の責任能力のない状態を道具として利用する一種の間接正犯であって、自己を心神喪失状態に陥れる飲酒行為が殺人の実行行為であり、したがって、飲酒行為時に責任能力が認められる以上、甲には殺人罪が成立すると思う。
B. ただ、君のように考えると、仮に、甲が自己の心神耗弱状態を利用して乙を殺害する意思で酩更そえの状態に陥り、計画どおり乙を殺害した場合には、刑を減軽せざるを得ず、本件のように心神喪失状態で殺害した場合には完全な刑事責任が認められることとの不均衡が生じないだろうか。
A. (①)
B. 君の考えでは、甲が酔いつぶれて眠り込んでしまった場合にも殺人未遂罪が成立してしまうことになるが、それでは処罰範囲が広がりすぎるのではないか。
A. (②)
B. 責任能力は責任の要件ではあっても責任非難それ自体ではないのだから、実行行為を心神喪失時の行為と解しつつ、それより前の責任能力のあったときの意思態度について非難可能性が認められれば、行為全体について完全な責任を負わせても一向に構わないと思う。
A. (③)
公式解答
4. ①ウ ②イ ③ア
正誤・解説
① /
(①)
責任能力を実行行為時に要求するか、意思形成時の責任能力で足りるかが争点。正解の立場は、心神喪失時の行為を実行行為としつつ、前段の意思態度を含めて責任を問いうるとする。
② /
(②)
同様に、飲酒開始時に責任能力があり、心神喪失時の殺害を計画していた以上、処罰範囲が不当に広がるわけではないとする発言が当てはまる。
③ /
(③)
責任能力は責任の要件だが、責任非難の対象は意思決定や行動全体であるから、実行行為時に心神喪失でも、前の意思態度を含めて責任を問えるとする発言が当てはまる。
全体要旨
解説画像

自己評価
問題時間・解説時間は、 別ページへ移動した時点で確定します。
学習メモ
入力中の内容はこの端末へ自動的に下書き保存されます。 「メモを保存」を押すと改訂履歴へ追加し、 ログイン中はSupabaseへ同期します。
メモの保存履歴
過去版を編集欄へ復元しただけでは下書きです。 「メモを保存」を押すと新しい版として保存されます。