刑法 第102問
教材: 刑法①
司法試験 H26 第15問
論点: 緊急避難、過剰避難
問題
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【事例】
甲は、乙から裁判の証人として請求されてX裁判所から呼び出しを受けたところ、証人尋問期日の3日前にその不出頭を懸念した乙から「俺が裁判所まで連れて行くから、証人尋問の日までここにいる。」と言われ、見張りを付けられてマンションの一室に監禁された。甲は、自己の生命身体に対する危険は感じなかったものの、証人として出廷したくないと思い、同室に放火して騒ぎを起こし、見張りの者が消火に当たっている隙に逃亡しようと考え、同室の壁等に灯油をまいて放火し、同室の一部及びその上階の第三者が住む部屋の一部を焼損させた。
【見解】
A説:当該避難行為が「やむを得ずにした行為」でなければ緊急避難は認められないが、当該行為が危難を避けるための一つの方法と認められれば、法益権衡の要件を欠いても過剰避難が成立する。
B説:当該避難行為が「やむを得ずにした行為」でなければ緊急避難は認められないが、「やむを得ずにした行為」でなくとも法益権衡の要件を充たしていれば過剰避難が成立し、また、「やむを得ずにした行為」であって、法益権衡の要件を欠く場合にも過剰避難が成立する。
C説:当該避難行為が「やむを得ずにした行為」でなければ緊急避難、過剰避難とも認められず、過剰避難は、「やむを得ずにした行為」であって、かつ、法益権衡の要件を欠く場合に成立する。
公式解答
3
正誤・解説
1 /
【事例】に、更に「事件当時、部屋の窓から逃走するなどして脱出することは可能であった」との事情がある場合、A説からは甲に過剰避難が成立することになる。
解説では、窓からの脱出が可能なら「それ以外に他に方法がない」とはいえず、「やむを得ずにした行為」とはいえないが、A説は危難回避の一方法と認められれば法益権衡を欠いても過剰避難を肯定するとしている。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
【事例】に、更に「事件当時、甲が部屋から脱出する手段はほかになかった」との事情がある場合、B説からは甲に過剰避難が成立することになる。
解説では、他に方法がないなら「やむを得ずにした行為」といえ、B説ではその場合に法益権衡を欠いても過剰避難が成立するとしている。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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3 /
【事例】に、更に「事件当時、部屋の窓から逃走するなどして脱出することは可能であった」との事情がある場合、C説からは甲に過剰避難が成立することになる。
解説では、C説は「やむを得ずにした行為」でなければ過剰避難は認めず、窓からの脱出が可能ならその要件を欠くため、過剰避難は成立しない。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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4 /
【事例】に、更に「事件当時、部屋の窓から逃走するなどして脱出することは可能であった」との事情がある場合、B説からは甲に緊急避難の成立も過剰避難の成立も認められない。
解説では、窓からの脱出が可能なら「やむを得ずにした行為」とはいえないので緊急避難は成立せず、B説でも法益権衡を欠くため過剰避難も成立しないとしている。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
【事例】に、更に「事件当時、甲が部屋から脱出する手段はほかになかった」との事情がある場合、C説からは甲に過剰避難が成立することになる。
解説では、他に脱出手段がないなら「やむを得ずにした行為」に当たり、C説ではさらに法益権衡を欠く場合に過剰避難が成立するとしている。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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全体要旨
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