刑法 第81問
教材: 刑法①
プレ-06
論点: 防衛の意思の要否・内容
問題
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【見解】
I.正当防衛の成立には防衛の意思が必要であり、その内容は、不正な侵害から積極的に自己又は他人の権利を守るという目的ないし意図であると解すべきである。
II.正当防衛の成立には防衛の意思が必要であるが、その内容は、急迫不正の侵害を認識しつつこれを回避する心理状態であり、かつ、それで足りると解すべきである。
III.正当防衛の成立に防衛の意思は不要である。
【事例】
甲は、かねてから恨みを抱いていた乙を殺害するためにけん銃を準備していたところ、同人が身をかがめて手を動かしている姿を見て何かの作業中だと思い好機だと考え、同人に向けてけん銃を発射した。だが、実は、乙も甲を殺害するために身をかがめて甲に向けてけん銃を発射しようとしていたところであり、甲の発射した弾丸が先に乙に命中して同人が死亡した。
【記述】
公式解答
2. 2個
正誤・解説
p1 /
この見解に立つと、前記事例の甲に正当防衛が成立するが、未遂罪についての理解によっては、甲に殺人未遂罪の成立を認める余地がある。
見解IIIでは防衛の意思を不要とするため、甲には正当防衛が成立し得る。一方で、未遂の考え方によっては、主観面から殺人未遂を認める余地があるとする説明で整合する。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
この見解は、防衛の意思の要否及びその内容に関する最高裁判所の判例の立場に反すると言える。
見解IIは、防衛の意思を要するとしつつ、その内容を急迫不正の侵害を認識してこれを回避する心理状態とみる。判例の立場と一致し、反するとはいえない。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
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p3 /
この見解に立つと、前記事例で、乙が甲ではなく第三者丙を殺害するためにけん銃を発射しようとしていた場合は、甲に正当防衛が成立しない。
見解IIIでは、防衛の意思を不要とするため、相手が第三者を狙っていても甲に正当防衛が成立し得る。したがって「成立しない」は誤り。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p4 /
この見解は、違法性の実質を結果無価値と考える立場と矛盾しない。
見解IIIは、防衛意思を不要とするため、結果無価値を重視する立場と整合しやすい。説明文でも、見解IIIは結果無価値と矛盾しないとされている。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p5 /
この見解に立つと、「Xは誤って自己の運転する自動車をYの運転する自動車に衝突させてYを負傷させた。その衝突の際、Yはその運転する自動車で歩行者をれき死させる直前であり、衝突により歩行者はれき死を免れた。」という事例のXに正当防衛の成立を肯定することができない。
見解IIIでは、防衛の意思を不要とするので、第三者の救助場面でも自己または他人の権利防衛として正当防衛を肯定できる。したがって否定は誤り。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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