刑法 第75問
教材: 刑法①
司法試験 H23 第8問(改)
論点: 被害者の承諾
問題
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公式解答
5
正誤・解説
1 /
甲は、昼間の電車内において、多数の乗客が見ている状態で、恋人の乙が着ていたコートの前を広げさせてその陰部を露出させた場面を写真撮影した。同写真撮影について乙があらかじめ甲に対して承諾していた場合、公然わいせつ罪の違法性が阻却され、甲には同罪の共同正犯は成立しない。
公然わいせつ罪は社会的法益に対する罪であり、被害者の承諾で直ちに違法性が阻却されるものではない。したがって、承諾があっても共同正犯の成立を否定することはできない。
根拠条文:刑法174条・e-Govで法令を開く
刑法174条―現行条文本文
第百七十四条 (公然わいせつ)
公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
甲は、重病で苦しんでいる妻乙に同情して、同人の首を絞めて窒息死させた。この殺害について乙があらかじめ甲に対して承諾していた場合、甲の行為は、いずれの構成要件にも該当せず、犯罪は成立しない。
殺人罪は個人的法益に対する罪だが、被害者の承諾があっても当然に構成要件該当性が否定されるわけではない。なお、説明文では少なくとも承諾殺人の成立が示されている。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く刑法202条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法202条―現行条文本文
第二百二条 (自殺関与及び同意殺人)
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
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3 /
甲は、乙が保険金をだまし取るのに協力する目的で、この右手の親指を包丁で切断した。親指の切断について乙があらかじめ甲に対して承諾していた場合、甲の行為は、傷害罪の構成要件に該当せず、同罪は成立しない。
傷害罪では、承諾がある場合でも、右承諾が違法な目的に利用されるなどの事情があると違法性が阻却されないと説明されている。本件でも傷害罪の成立が否定されない。
根拠条文:刑法204条・e-Govで法令を開く
刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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4 /
甲は、11歳の乙の陰部を指で弄するなどのわいせつな行為を行った。わいせつな行為をすることについて乙があらかじめ甲に対して承諾していた場合、甲の行為は、不同意わいせつ罪の構成要件に該当せず、同罪は成立しない。
16歳未満の者に対するわいせつ行為は、同意の有無にかかわらず類型的に処罰対象とされるため、11歳の承諾があっても不同意わいせつ罪の成立を否定できない。
根拠条文:刑法176条第3項・e-Govで法令を開く
刑法176条第3項―現行条文本文
十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
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5 /
甲は、妊娠している妻乙と話し合った上、薬物を使用して堕胎させた。堕胎について乙があらかじめ甲に対して承諾していた場合、甲の行為は、不同意堕胎罪の構成要件に該当せず、同罪は成立しない。
刑法215条1項は、女子の嘱託や承諾なく堕胎させた場合を処罰する。したがって、承諾がある本件では不同意堕胎罪は成立しない。
根拠条文:刑法215条第1項・e-Govで法令を開く
刑法215条第1項―現行条文本文
女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
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全体要旨
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