刑法 第68問
教材: 刑法①
司法試験 R03 第1問
論点: 過失犯
問題
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公式解答
4
正誤・解説
1 /
共同正犯に関する刑法第60条は、意思の連絡を要件としているので、過失犯には適用されない。
60条は文言上は「二人以上共同して犯罪を実行した者」を対象とするが、判例は業務上過失致死傷でも共同の注意義務違反があれば共同正犯を認め、過失犯にも適用されるとしている。
2 /
重過失とは、重大な結果を惹起する危険のある不注意な行為をすることをいう。
判例は、重過失を「通常人に要求される程度の相当な注意をしないで、わずかな注意さえすれば容易に違法有害な結果を予見できたのに、ほとんど故意に近い著しい注意欠如」と捉えている。
3 /
過失犯の成立に必要となる結果発生の予見可能性は、内容の特定しない一般的・抽象的な危惧感ないし不安感を抱く程度の予見の可能性で足りる。
判例は、単なる一般的・抽象的な危惧感や不安感では足りず、結果発生の予見可能性には構成要件的結果と因果関係の基本部分についての予見を要するとしている。
4 /
行為者が法令に違反する行動をした事案においても信頼の原則が適用される場合がある。
判例は、法令違反がある場合でも直ちに信頼の原則が否定されるわけではなく、具体的状況によっては他者が適法に行動すると信頼してよい場合があるとしている。
5 /
ホテルの火災により死傷者が出た場合、火災発生時に現場にいなかったホテル経営者には業務上過失致死傷罪が成立することはない。
判例は、現場にいなくても、ホテル経営者が防火管理上の注意義務を負い、必要な設備・体制整備を怠ったために結果回避可能性があれば、業務上過失致死傷の成立を認めている。
全体要旨
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