刑事訴訟法 第274問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H23 第34問
論点: 伝聞証拠
問題
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【証拠】
a.V宅でVを包丁で突き刺した旨の甲が作成した供述書
b.事件直前、V宅を訪ねてきた甲を応接間に通した後、しばらくして、Vの叫び声が聞こえ、応接間を確認したところ、倒れているVを発見した旨のVの妻Aの供述を録取した書面
c.Vの妻A立会いのもとで、司法警察職員が任意処分として行った検証の結果を記載した書面
d.犯行現場に遺留されていた包丁
e.前記包丁に付着していた血液のDNA型がVのものと一致する旨の鑑定の結果を記載した書面
f.甲宅から押収した日記(事件前日の欄に、「Vと口論となった挙句、拳で顔面を殴られた。許さない。」と記載のあるもの。)
【記述】
ア.a、b、c及びeは、証拠書類であるから、その取調べをするについては、朗読又はその要旨を告げる必要があり、d及びfは、証拠物であるから、その取調べについては、示させる必要があるが、それで足り、fの記載内容を立証する場合であっても、これを朗読する必要はない。
イ.直接証拠とは、犯罪事実の存在を直接証明する証拠であるから、aからfの中で、直接証拠は、aのみである。
ウ.aは、甲が体験した事実を、甲自ら記載した書面であるから、伝聞証拠には当たらない。
エ.刑事訴訟法第321条第3項の「検証の結果を記載した書面」とは、裁判官の発する令状により行った検証の結果を記載した書面であるから、捜査機関が任意処分として行った検証の結果を記載した書面であるcは、これに該当しない。
オ.eは、伝聞証拠ではあるが、刑事訴訟法第321条第4項の「鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したもの」に当たるから、鑑定人の証人尋問を経ることなく、証拠とすることができる。
公式解答
2. 1個
正誤・解説
ア /
a、b、c及びeは、証拠書類であるから、その取調べをするについては、朗読又はその要旨を告げる必要があり、d及びfは、証拠物であるから、その取調べについては、示させる必要があるが、それで足り、fの記載内容を立証する場合であっても、これを朗読する必要はない。
a、b、c、eは証拠書類として朗読等が必要。d、fは証拠物なので示せば足りるが、fの記載内容を立証する場合はその内容に応じた取調べが必要で、記述は誤り。
根拠条文:刑事訴訟法305条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法203条の2第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法306条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法307条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法305条第1項―現行条文本文
検察官、被告人又は弁護人の請求により、証拠書類の取調べをするについては、裁判長は、その取調べを請求した者にこれを朗読させなければならない。
ただし、裁判長は、自らこれを朗読し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれを朗読させることができる。
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刑事訴訟法306条第1項―現行条文本文
検察官、被告人又は弁護人の請求により、証拠物の取調をするについては、裁判長は、請求をした者をしてこれを示させなければならない。
但し、裁判長は、自らこれを示し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記にこれを示させることができる。
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刑事訴訟法307条―現行条文本文
第三百七条
証拠物中書面の意義が証拠となるものの取調をするについては、前条の規定による外、第三百五条の規定による。
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刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
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イ /
直接証拠とは、犯罪事実の存在を直接証明する証拠であるから、aからfの中で、直接証拠は、aのみである。
直接証拠は犯罪事実そのものを直接証明する証拠。aは被告人自らの供述書で犯行を直接示す内容であり、他は状況証拠にとどまるため、正しい。
ウ /
aは、甲が体験した事実を、甲自ら記載した書面であるから、伝聞証拠には当たらない。
自分で体験した事実を自分で書いても、法廷外で作成された供述書であり、供述内容の真実性が問題となるので伝聞証拠に当たる。
根拠条文:刑事訴訟法320条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法320条第1項―現行条文本文
第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
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エ /
刑事訴訟法第321条第3項の「検証の結果を記載した書面」とは、裁判官の発する令状により行った検証の結果を記載した書面であるから、捜査機関が任意処分として行った検証の結果を記載した書面であるcは、これに該当しない。
321条3項の「検証の結果を記載した書面」には、任意処分として行った検証の結果を記載した書面も含まれる。したがってcも該当し、記述は誤り。
根拠条文:刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第4項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
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刑事訴訟法321条第4項―現行条文本文
鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
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オ /
eは、伝聞証拠ではあるが、刑事訴訟法第321条第4項の「鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したもの」に当たるから、鑑定人の証人尋問を経ることなく、証拠とすることができる。
321条4項は、鑑定人が公判で証人として尋問を受け、その真正に作成されたことを供述した場合に証拠化を認める趣旨。eはそれに当たらず、記述は誤り。
根拠条文:刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第4項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑事訴訟法321条第4項―現行条文本文
鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
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全体要旨
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