刑事訴訟法 第218問
教材: 刑事訴訟法②
予備試験 H29 第21問
論点: 訴因変更
問題
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公式解答
5. エ オ
正誤・解説
A /
【乙が公務員Aに賄賂を供与した際、これを幇助した。】という贈賄の幇助の訴因で起訴された甲について、「乙と共謀の上、公務員Aに賄賂を供与した。」という贈賄の共同正犯の事実を認定するには、訴因変更の手続を要しない。
共謀共同正犯を認定するには、当初の幇助の訴因に含まれない共謀の事実を新たに認定することになり、被告人の防御権に影響するため、訴因変更が必要とされる。
B /
「Aを脅迫して現金を強取した。」という強盗の訴因で起訴された甲について、脅迫が相手方の反抗を抑圧するほど強度ではなかったことを理由に「Aを脅迫して現金を交付させた。」という恐喝の事実を認定するには、訴因変更の手続を経なければならない。
強盗の訴因から、脅迫の程度が不足する場合に恐喝を認定するのは、同一の基本的事実関係の範囲内での縮小認定とされ、通常は訴因変更を要しない。
C /
「甲は、公務員乙と共謀の上、その職務上の行為に対する謝礼の趣旨で、丙から賄賂を収受した。」という収賄の訴因を、「甲は、丙と共謀の上、公務員乙の職務上の行為に対する謝礼の趣旨で、乙に対し賄賂を供与した。」という贈賄の訴因に変更することは、収受したとされる賄賂と供与したとされる賄賂とが同一であったとしても、公訴事実の同一性を欠き、許されない。
収賄と贈賄でも、収受賄賂と供与賄賂に事実上の共通性があれば、公訴事実の同一性は肯定される。したがって、同一性を当然に欠くとはいえない。
D /
「甲が銅板を窃取する際に、犯行供用物件を貸与して窃盗の幇助をした。」という窃盗幇助の訴因を、これと併合罪関係にある「甲が窃取した銅板を、盗品と知りながら買い受けた。」という盗品等有償譲受けの訴因に変更することは、公訴事実の同一性を欠き、許されない。
幇助と盗品等有償譲受けは、正犯・外観犯で別個の法的評価にわたり、基本的事実関係も同一とはいえないとされる。
E /
「Aに対し、殺意をもって狩銃を発射して殺害した。」という殺人の訴因で起訴された甲について、証拠上、殺人の訴因については無罪とするほかなくとも、これを重過失致死という相当重大な罪の訴因に変更すれば有罪であることが明らかな場合、裁判所は、例外的に、訴因変更を促し又はこれを命ずる義務がある。
裁判所は原則として職権で訴因変更を促す義務はないが、無罪のままにすると重大な犯罪が処罰されない明白な場合など、例外的に訴因変更を促すべきとされる。
全体要旨
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