刑事訴訟法 第119問
教材: 刑事訴訟法①
司法試験 H22 第25問
論点: 弁護人の活動
問題
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【事例】
甲は、殺人被疑事件の被疑者として、H地方裁判所の裁判官が発付した逮捕状に基づき、G警察署司法警察員に逮捕され、G警察署の留置施設に留置された。甲は、乙を弁護人に選任した。その後、甲は、引き続き、H地方裁判所の裁判官が発付した勾留状に基づきG警察署の留置施設に勾留された。また、その際、甲は、同じ裁判官により、刑事訴訟法第81条に基づいて、公訴が提起されるまでの間、接見等を禁じられた。乙は、甲と接見しようとしたところ、検察官により、捜査のため必要があるとして、接見の日時、場所及び時間を指定され、さらに甲は、同じ裁判官により、10日間の勾留期間の延長がされた後、殺人被疑事件につき、H地方裁判所に起訴され、J刑事施設に移送されて引き続き勾留された。
【乙の活動】
ア.逮捕状発付の裁判に対する準抗告
イ.H地方裁判所の裁判官に対する甲の逮捕の理由の開示請求
ウ.G警察署の留置施設に勾留されている被疑者甲との接見
エ.検察官の接見指定に対する準抗告
オ.勾留期間の延長の裁判に対する準抗告
カ.起訴後における甲の勾留の取消請求
公式解答
3
正誤・解説
p1 /
逮捕状発付の裁判に対する準抗告
逮捕状発付の裁判は、刑訴法429条1項の準抗告の対象として明示されていないため、法令上の根拠はない。
根拠条文:刑事訴訟法429条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法429条第1項第2号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法429条第1項―現行条文本文
裁判官が次に掲げる裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消し又は変更を請求することができる。
一 忌避の申立てを却下する裁判
二 勾留、保釈、押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、押収物の還付、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)又は第百二十三条の二第一項(第五百十三条第十項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による複写に関する裁判
三 鑑定のため留置を命ずる裁判
四 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
五 身体の検査を受ける者に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
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刑事訴訟法429条第1項第2号―現行条文本文
二 勾留、保釈、押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、押収物の還付、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)又は第百二十三条の二第一項(第五百十三条第十項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による複写に関する裁判
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p2 /
H地方裁判所の裁判官に対する甲の逮捕の理由の開示請求
逮捕については、勾留と異なり、理由開示請求の制度はないので、法令上の根拠はない。
根拠条文:刑事訴訟法207条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法82条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法82条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法207条第1項―現行条文本文
前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
但し、保釈については、この限りでない。
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刑事訴訟法82条第1項―現行条文本文
勾留されている被告人は、裁判所に勾留の理由の開示を請求することができる。
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刑事訴訟法82条第2項―現行条文本文
勾留されている被告人の弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹その他利害関係人も、前項の請求をすることができる。
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p3 /
G警察署の留置施設に勾留されている被疑者甲との接見
身体拘束を受けている被疑者・被告人には、弁護人等と立会いなく接見する権利が認められており、法令上の根拠がある。
根拠条文:刑事訴訟法39条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法39条第1項―現行条文本文
身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。
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p4 /
検察官の接見指定に対する準抗告
検察官による接見指定に不服がある場合、対応する裁判所にその取消し又は変更を請求できるため、法令上の根拠がある。
根拠条文:刑事訴訟法430条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法39条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法430条第1項―現行条文本文
検察官又は検察事務官のした第三十九条第三項の処分又は押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、押収物の還付、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)、第二百十八条第三項の規定による命令若しくは第二百二十二条第一項若しくは第五百十三条第六項において準用する第百二十三条の二第一項の規定による複写に関する処分に不服がある者は、その検察官又は検察事務官が所属する検察庁の対応する裁判所にその処分の取消し又は変更を請求することができる。
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刑事訴訟法39条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。
但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。
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p5 /
勾留期間の延長の裁判に対する準抗告
勾留期間延長の裁判は、刑訴法429条1項の対象として明示されておらず、準抗告の根拠はない。
根拠条文:刑事訴訟法429条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法429条第1項第2号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法429条第1項―現行条文本文
裁判官が次に掲げる裁判をした場合において、不服がある者は、簡易裁判所の裁判官がした裁判に対しては管轄地方裁判所に、その他の裁判官がした裁判に対してはその裁判官所属の裁判所にその裁判の取消し又は変更を請求することができる。
一 忌避の申立てを却下する裁判
二 勾留、保釈、押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、押収物の還付、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)又は第百二十三条の二第一項(第五百十三条第十項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による複写に関する裁判
三 鑑定のため留置を命ずる裁判
四 証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
五 身体の検査を受ける者に対して過料又は費用の賠償を命ずる裁判
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刑事訴訟法429条第1項第2号―現行条文本文
二 勾留、保釈、押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、押収物の還付、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)又は第百二十三条の二第一項(第五百十三条第十項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による複写に関する裁判
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
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p6 /
起訴後における甲の勾留の取消請求
起訴後の勾留取消しは、検察官や被告人側から請求できる制度があり、法令上の根拠がある。
根拠条文:刑事訴訟法87条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法87条第1項―現行条文本文
勾留の理由又は勾留の必要がなくなつたときは、裁判所は、検察官、勾留されている被告人若しくはその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消さなければならない。
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