刑事訴訟法 第82問
教材: 刑事訴訟法①
司法試験 H23 第24問
論点: 捜索・差押え
問題
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公式解答
3. イ オ
正誤・解説
p1 /
人の住居に対する捜索差押許可状の効力は、令状呈示後に同住居に搬入された物品には及ばないから、甲に対する覚せい剤取締法違反被疑事件につき、検索場所を甲居室、差し押さえるべき物を覚せい剤等とする捜索差押許可状に基づき、警察官が甲立会いの下に同人方居室を捜索中、甲宛てに届き、甲が受領した宅配便の荷物について、警察官は、甲の承諾を得ることなくこれを開封して中身を確認することはできない。
令状呈示後に搬入された物に令状の効力が及ばない、という一般論はあるが、宅配便荷物のように現に対象場所内で差押対象物となり得る場合は、直ちに開封確認が一律に不可とはいえない。判例はこの点を否定している。
p2 /
捜査機関は、人の住居に対する捜索差押許可状の執行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができるから、居住者であっても許可を得ないで住居に立ち入ろうとした場合は、これを制止することができる。
人の住居に対する捜索差押許可状の執行では、執行中の出入りを禁止し、居住者であっても無許可で立ち入ろうとすれば制止できる。
根拠条文:刑事訴訟法222条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法112条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法222条第1項―現行条文本文
第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十五条、第百十八条、第百十九条、第百二十条第一項、第百二十一条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項から第三項まで並びに第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)について、第百五条の二、第百十条、第百十一条第三項、第百二十条第二項及び第三項並びに第百二十三条の二第一項の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)について、第百十条、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。
ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
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刑事訴訟法112条第1項―現行条文本文
差押状又は捜索状の執行中は、何人に対しても、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。
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p3 /
捜索差押許可状の執行に当たっては、その着手前に、処分を受ける者に対して捜索差押許可状を示さなければならないから、乙に対する覚せい剤取締法違反被疑事件につき、捜索場所を乙方居室、差し押さえるべき物を覚せい剤等とする捜索差押許可状の発付を受けた警察官が、来意を告げることなく、施錠された乙方居室のドアを家主から借り受けた合い鍵で開けて室内に立ち入り、その後に初めて乙に同令状を示すことは、乙が覚せい剤を洗面所に流すなど差押対象物件を破壊隠匿するおそれがある場合であっても違法となる。
令状は原則として提示すべきだが、証拠隠滅のおそれがあるなどの事情では、先に立ち入って後から令状提示する扱いも判例上認められる。
p4 /
捜索差押許可状には、被疑者の氏名、罪名、差し押さえるべき物、捜索すべき場所、身体若しくは物、有効期間等を記載しなければならないが、特別法違反の罪については、被疑事件を特定するため、罪名のほか、その罰条又は犯罪事実を記載しなければならない。
特別法違反事件でも、令状に犯罪事実の記載までは不要で、罪名だけで足りるとされる。
根拠条文:刑事訴訟法219条第1項・e-Govで法令を開く日本国憲法35条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法219条第1項―現行条文本文
前条の令状には、被疑者若しくは被告人の氏名、罪名、差し押さえるべき物、捜索すべき場所、身体若しくは物、提供させるべき電磁的記録、提供させるべき者及び提供の方法、検証すべき場所若しくは物又は検査すべき身体及び身体の検査に関する条件、有効期間及びその期間経過後は差押え、捜索若しくは検証に着手し、又は電磁的記録提供命令をすることができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。
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日本国憲法35条―現行条文本文
第三十五条
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
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p5 /
捜索差押許可状で差し押さえようとしているパソコンの中に、被疑事実に関する情報が記録されている蓋然性が認められる場合において、そのような情報が実際に記録されているかをその場で確認していたのでは記録された情報を損壊される危険があるときは、内容を確認することなしにパソコン自体を差し押さえることができる。
電磁的記録が消去・改変されるおそれがある場合には、内容確認を待たずに記録媒体自体を差し押さえることができる。
根拠条文:刑事訴訟法99条の2・e-Govで法令を開く刑事訴訟法110条の2・e-Govで法令を開く刑事訴訟法111条の2・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法110条の2―現行条文本文
第百十条の二
差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、差押状の執行をする者は、その差押えに代えて次に掲げる処分をすることができる。
公判廷で差押えをする場合も、同様である。
一 差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写し、印刷し、又は移転した上、当該他の記録媒体を差し押さえること。
二 差押えを受ける者に差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写させ、印刷させ、又は移転させた上、当該他の記録媒体を差し押さえること。
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刑事訴訟法111条の2―現行条文本文
第百十一条の二
差し押さえるべき物が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、差押状又は捜索状の執行をする者は、処分を受ける者に対し、電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができる。
公判廷で差押え又は捜索をする場合も、同様である。
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全体要旨
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