刑事訴訟法 第58問
教材: 刑事訴訟法①
サンプル
論点: 勾留
問題
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次のア〜オの記述のうち、違法な裁判は幾つあるか。
公式解答
3. 3個
正誤・解説
P1 /
I警察署司法警察員は被疑者甲を窃盗罪で現行犯逮捕したが、同署管内で発生した殺人事件の捜査に人手を取られたため、被疑者甲に対する窃盗被疑事件の捜査が遅延し逮捕後60時間を経過した時点で被疑者甲を検察官に送致する手続を採った。送致を受けた検察官において逮捕後72時間以内に勾留請求手続を採り、裁判官は勾留状を発した。
現行犯逮捕後の送致は、原則として48時間以内に書類・証拠物とともに検察官へ送致すべきで、捜査遅延だけでは「やむを得ない事情報」の要件を満たさない。したがって60時間後の送致は違法。
根拠条文:刑事訴訟法216条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法199条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法203条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法206条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法205条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法205条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法216条―現行条文本文
第二百十六条
現行犯人が逮捕された場合には、第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。
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刑事訴訟法199条―現行条文本文
第百九十九条
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。
ただし、三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。次項及び第二百一条の二第一項において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。
ただし、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。
検察官又は司法警察員は、第一項の逮捕状を請求する場合において、同一の犯罪事実についてその被疑者に対し前に逮捕状の請求又はその発付があつたときは、その旨を裁判所に通知しなければならない。
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刑事訴訟法203条第1項―現行条文本文
司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
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刑事訴訟法206条第1項―現行条文本文
検察官又は司法警察員がやむを得ない事情によつて前三条の時間の制限に従うことができなかつたときは、検察官は、裁判官にその事由を疎明して、被疑者の勾留を請求することができる。
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刑事訴訟法205条第1項―現行条文本文
検察官は、第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。
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刑事訴訟法205条第2項―現行条文本文
前項の時間の制限は、被疑者が身体を拘束された時から七十二時間を超えることができない。
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P2 /
覚せい剤の譲渡の被疑事実で通常逮捕された被疑者の送致を受けた検察官は、被疑者甲が逮捕時に覚せい剤を所持していたことから、覚せい剤の譲渡の事実と所持の事実の両事実を被疑事実として勾留請求し、裁判官は両事実を被疑事実として勾留状を発した。
勾留請求は同一の公訴事実に限られず、事実単位説の下で同一性がある範囲では可能。覚せい剤譲渡と同所持は、事実関係上あわせて勾留の対象とすることが許される。
根拠条文:刑事訴訟法207条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法60条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法45条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法207条第1項―現行条文本文
前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は、その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。
但し、保釈については、この限りでない。
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刑事訴訟法60条第1項―現行条文本文
裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
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刑事訴訟法45条―現行条文本文
第四十五条
判決以外の裁判は、判事補が一人でこれをすることができる。
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P3 /
裁判官は、30万円以下の罰金に当たる過失傷害罪を犯した被疑者甲について、住居はあるが罪証を隠滅すると疑うに足りる相当の理由があると認め、勾留状を発した。
60条3項により、30万円以下の罰金等の事件では、被告人が定まった住居を有する場合に同条1項の適用が制限される。住居があるのに罪証隠滅のおそれだけで勾留はできない。
根拠条文:刑事訴訟法60条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法60条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法60条第1項―現行条文本文
裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
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刑事訴訟法60条第3項―現行条文本文
三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)及び経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる事件については、被告人が定まつた住居を有しない場合に限り、第一項の規定を適用する。
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P4 /
裁判官は、窃盗事件を犯した被疑者甲について、勾留の理由及び必要性があると認めたが、捜査に要する期間は7日間で足りると考え、勾留期間を7日間とする勾留状を発した。
勾留の期間は原則10日であり、裁判官が職権で7日と定めることはできない。裁判例も、法定の10日を短縮する権限はないとする。
根拠条文:刑事訴訟法208条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法208条第1項―現行条文本文
第二百七条の規定により被疑者を勾留した事件につき、勾留の請求をした日から十日以内に公訴を提起しないときは、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
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P5 /
裁判官は、勾留及び勾留期間の延長により合計15日間勾留されている傷害罪の被疑者甲について、検察官からの請求により、やむを得ない事由があると認め、さらに3日間の勾留期間の延長を決定した。
勾留延長は原則としてさらに10日を超えられないが、合計15日拘束後にやむを得ない事由があるとして、検察官請求により追加延長を認めることができる。
根拠条文:刑事訴訟法208条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法208条第2項―現行条文本文
裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、前項の期間を延長することができる。
この期間の延長は、通じて十日を超えることができない。
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