刑事訴訟法 第54問
教材: 刑事訴訟法①
予備試験 R05 第16問
論点: 逮捕・勾留
問題
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【事例】
甲には、乙宅において、乙に対して暴行を加え、その反抗を抑圧して、乙所有の財布を強取したという強盗の事実の嫌疑が認められる。
【見解】
Ⅰ.逮捕に引き続く勾留の理由となる被疑事実は、先行する逮捕の理由とされた被疑事実と同一のものでなければならない。
Ⅱ.実体法上一罪の関係にある被疑事実を理由とする身体拘束は、1回に限り認められる。
Ⅲ.身体拘束に関する処分は、明示的に身体拘束の理由とされている被疑事実について行われるもので、それ以外の事実のみに基づいて行われてはならない。
公式解答
3. イ ウ
正誤・解説
proposition_1 /
【見解】Ⅰによれば、検察官は、甲が【事例】中の強盗の被疑事実について逮捕された場合に、逮捕中の捜査の結果を踏まえて恐喝に評価を改め、その逮捕に引き続き、乙に対する恐喝の被疑事実を理由として甲の勾留を請求することはできない。
見解Ⅰは、逮捕に続く勾留の理由となる被疑事実は先行逮捕の理由と同一であることを要求する。強盗で逮捕後、恐喝に組み替えて勾留請求するのはその考え方と合わない。
proposition_2 /
【見解】Ⅰによれば、検察官は、甲が【事例】中の強盗の被疑事実について逮捕された場合に、これに引き続いて、別に判明した、甲の丙に対する強盗の被疑事実のみを理由として甲の勾留を請求することはできない。
別件で判明した別の強盗事実だけを理由に、先行逮捕に続く勾留を請求するのは、見解Ⅰの「同一性」要求に反する。
proposition_3 /
【見解】Ⅱによれば、司法警察員は、【事例】中の強盗の被疑事実を乙に対する暴行の被疑事実と乙に対する窃盗の被疑事実に分割し、甲が暴行の被疑事実で逮捕、勾留された後に、改めて、窃盗の被疑事実で逮捕状を請求することはできない。
見解Ⅱは、実体法上一罪の関係にある被疑事実を理由とする身体拘束は1回限りとする。分割して再度、別の被疑事実で逮捕状請求するのはできない。
proposition_4 /
【見解】Ⅱによれば、司法警察員は、甲が【事例】中の強盗の被疑事実について逮捕された後、これに引き続く勾留請求が却下された場合に、甲が【事例】中の強盗を行うための手段として乙宅に侵入した旨の住居侵入の被疑事実(【事例】中の強盗の被疑事実と牽連犯の関係に立つものとする)を理由として、甲の逮捕状を請求することができる。
見解Ⅱでは、強盗と実体法上一罪の関係にある被疑事実による身体拘束は1回に限られる。牽連犯にある住居侵入を理由に、強盗逮捕後に再び逮捕状請求するのはできない。
proposition_5 /
【見解】Ⅲによれば、検察官は、甲が【事例】中の強盗の被疑事実を理由とする勾留の延長を請求するに当たり、並行して実施している別の被疑事実の捜査から判明した事実は、前記強盗の被疑事実に関連するとしても、これを示すことはできない。
見解Ⅲは、身体拘束は明示された被疑事実について行われ、別件捜査で判明した事実でも、前記被疑事実に関連するなら示し得るとする。設問は『示すことはできない』としており、見解と反する。
全体要旨
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