刑事訴訟法 第8問
教材: 刑事訴訟法①
予備試験 H29 第14問
論点: 強制処分と任意処分
問題
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公式解答
1 / 2 / 1 / 1 / 2
正誤・解説
p1 /
強制手段とは、有形力の行使を伴う手段を意味するものではなく、個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段を意味するものであって、この程度に至らない有形力の行使は、任意捜査においても許容される場合がある。
判例は、強制手段を「有形力を伴うか」ではなく、意思を制圧し身体・住居・財産等に制約を加えて捜査目的を実現する手段と捉え、そこに至らない有形力行使は任意捜査でも許容され得るとしている。
p2 /
荷送人の依頼に基づき宅配便業者の運送過程下にある荷物について、捜査機関が、捜査目的を達成するため、荷送人や荷受人の承諾を得ることなく、その荷物に外部からエックス線を照射して内容物の射影を観察した行為は、任意処分として許される。
判例は、荷物の内容物や品目を相当程度特定し得て私的領域への侵入があり、プライバシーを大きく侵害するので、これは任意処分として許されないとする。
p3 /
捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらない限り、所持品検査においても許容される場合があると解すべきであるが、状況のいかんを問わず常に許容されるものと解すべきではなく、かかる行為は、所持品検査の必要性、緊急性、これによって害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的状況の下で相当と認められる限度でのみ許容される。
所持品検査は無条件に常に適法ではなく、必要性・緊急性・法益衡量などを踏まえ、相当な範囲でのみ許されるという判例の枠組みに合致する。
p4 /
警察官が、交通取締りの一環として交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通違反の予防、検挙のために自動車検問を実施し、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時間の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法である。
交通取締りのための自動車検問は、任意の協力を求める形で、自由を不当に制約しない方法・態様で行われる限り適法とする判例に沿う。
p5 /
酒気帯び運転の疑いが生じたため、酒気を検知する旨告げたところ、運転者が急に反抗的態度を示し、エンジンのかかっている自動車の運転席に乗り込んで発進させようとしたので、警察官が運転席の窓から手を差し入れエンジンキーを回転してスイッチを切った場合、この行為は適法とされることはない。
判例は、同種事案で、警察官がエンジンキーを回してスイッチを切る行為は、必要かつ相当な職務質問・危険防止措置として適法とした。設問はこれを不適法とするので誤り。
全体要旨
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