刑事訴訟法 第6問
教材: 刑事訴訟法①
司法試験 H18 第27問
論点: おとり捜査
問題
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【会話】
学生A. 私は、おとり捜査は、(①)から、「強制の処分」に当たり、法律に特別の定めがない以上、許されないと思うわ。
学生B. 「強制の処分」に関する最高裁判所の判例の考え方を前提とすれば、おとり捜査は、(②)から、「強制の処分」には当たらないと考えるべきだよ。
学生A. 百歩譲って任意捜査だとしても、おとり捜査は、本来犯罪を防止すべき捜査機関が詐術的手段を用いて相手方に犯罪を実行させこれを検挙するものだから、(③)という観点からは、おとり捜査を行う必要性や相当性が認められることがおとり捜査が許されるための要件と考えるべきでしょうね。
学生B. 必要性や相当性の要件については、おとり捜査が、(④)という観点から考えるべきだと思う。このように考えることによって、第三者が被害者となる殺人や窃盗等についてのおとり捜査が原則として適法とされないことの説明が容易になるのではないかな。
学生A. ところで、(⑤)から、おとり捜査は、例えば、被疑者が既に大麻を所持しているという嫌疑があって、当該所持事犯の捜査の方法として行われるときに限って許されるべきよ。
学生B. (⑥)から、おとり捜査が許されるのは、既に犯罪が行われている場合に限られないと考えるべきだよ。
公式解答
5
正誤・解説
p1 /
強制の処分に当たる
判例の考え方では、おとり捜査を直ちに「強制の処分」とみるのは採られていない。強制処分かどうかは、相手方の意思を実質的に抑圧し身体等に制約を加えるかで判断する。
根拠条文:刑事訴訟法197条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法197条第1項―現行条文本文
捜査については、その目的を達するため必要な取調べをすることができる。
ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めのある場合でなければ、これをすることができない。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
強制の処分には当たらない
最高裁の考え方では、強制処分は有形力の行使に限られず、意思の制圧などを伴うかで判断する。おとり捜査はこの意味で直ちに強制処分とはいえないと整理されている。
根拠条文:日本国憲法35条・e-Govで法令を開く
日本国憲法35条―現行条文本文
第三十五条
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
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p3 /
必要性・相当性
任意捜査としてのおとり捜査は、捜査目的との関係で必要性・相当性があるかが問題となる。会話文では、犯罪防止のための詐術的手段という点から、この観点が入る。
根拠条文:刑事訴訟法197条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法197条第1項―現行条文本文
捜査については、その目的を達するため必要な取調べをすることができる。
ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めのある場合でなければ、これをすることができない。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p4 /
法益衡量
おとり捜査の許否は、被疑者側の自由や法益と、捜査によって守られる法益を比較する法益衡量の観点で説明される。第三者被害型の犯罪で原則として慎重になる理由もここで説明できる。
根拠条文:刑事訴訟法197条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法197条第1項―現行条文本文
捜査については、その目的を達するため必要な取調べをすることができる。
ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めのある場合でなければ、これをすることができない。
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p5 /
既に犯罪が行われている場合に限って許される
おとり捜査を、既遂・現に行われている犯罪の捜査に限定する考え方は採られていない。未然防止型や将来発生の高度蓋然性がある犯罪にも及び得る。
根拠条文:刑事訴訟法197条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法197条第1項―現行条文本文
捜査については、その目的を達するため必要な取調べをすることができる。
ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めのある場合でなければ、これをすることができない。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
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p6 /
既に犯罪が行われていない場合にも許される
おとり捜査は、既に犯罪が行われている場合に限られず、将来発生する高度の蓋然性がある犯罪の検挙・証拠収集のためにも認められ得る。
根拠条文:刑事訴訟法197条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法197条第1項―現行条文本文
捜査については、その目的を達するため必要な取調べをすることができる。
ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めのある場合でなければ、これをすることができない。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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