刑法 第86問
教材: 刑法①
予備試験 H23 第1問
論点: 正当防衛
問題
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公式解答
3
正誤・解説
1 /
甲は、乙が甲所有の自動車を盗むのを目撃し、これを追跡したものの見失い、その翌日、窃取された場所から約2キロメートル離れた路上で、乙がその自動車から降りて立ち去ったのを認めた時点では、乙がすぐに戻って来る様子であったので、直ちにこの自動車を運転し、自宅に戻った。この場合、甲には正当防衛が成立する。
判例のいう「急迫」とは、法益侵害が現に存在するか、または間近に押し迫っていることをいう。設問では乙が自動車から降りて立ち去った時点では、その要件を満たさず、急迫性がないため正当防衛は成立しない。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
甲は、散歩中、仲の悪かった乙から大型犬をけしかけられたので、犬から逃げようとして、偶然その場を通り掛かった丙を突き飛ばして走り去った。甲の行為により、丙は転倒して全治約1週間を要する足首捻挫の傷害を負った。この場合、甲には正当防衛が成立する。
正当防衛は「急迫不正の侵害」に対する防衛行為が必要で、設問の丙に対する行為は侵害行為への防衛ではない。また、緊急避難の余地はあっても、正当防衛ではない。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
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刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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3 /
甲は、乙ら数名の男によって監禁されたが、監禁されて2週間後、たまたま見張りが一人になったので、監禁場所から脱出するため、この顔面を1回殴打してひるんだ隙にそこから逃げた。この場合、甲には正当防衛が成立する。
監禁中は法益侵害が継続しているため急迫性が認められる。判例の立場では、継続犯では侵害が現存しているといえ、監禁からの脱出のための行為は正当防衛になりうる。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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4 /
甲は、深夜、路上で、見知らぬ乙から、ナイフを胸元に突き付けられ現金を要求されたので、ナイフを避けるために乙の胸付近を手で押し、走って逃げ出した。甲の行為により、乙は転倒して後頭部を路面に打ち付け、全治約1か月間を要する頭部打撲の傷害を負った。この場合、甲には正当防衛は成立しない。
防衛行為は、急迫不正の侵害に対する手段として相当性を有する限り、結果が侵害より大きくても直ちに正当防衛性を失わない。設問の行為も防衛手段として相当性を欠くとはいえない。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
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5 /
甲は、同居していた乙と言い争いをし、乙から「ぶっ殺すぞ。」と怒鳴られたため、身の危険を感じて一旦家を出たが、乙と仲直りをしようと考え直し、乙から暴力を振るわれることがあるかもしれないと思いつつ、家に戻って乙に謝罪した。しかし、甲は、乙に数回顔面を殴られた上、更に殴り続けられそうになったことから憤激し、とっさに乙の脇腹付近を1回蹴り、乙に全治約1か月間を要する肋骨骨折の傷害を負わせた。この場合、甲には正当防衛は成立しない。
相手の加害行為に対し、憤激して反撃したとしても、必ずしも防衛の意思を欠くとはいえない。設問では、暴行が継続する中で反撃しており、正当防衛は成立しうる。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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