刑事訴訟法 第92問
教材: 刑事訴訟法①
司法試験 H25 第24問
論点: 捜査に関する事例問題
問題
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【事例】
司法警察員は、甲が自宅において覚せい剤を密売しているとの被疑事実により、甲の逮捕状及び甲宅に対する捜索差押許可状の発付を得て、甲宅に赴いた。甲宅には、甲の妻Aのみが在宅していたことから、司法警察員は、Aに前記捜索差押許可状を呈示した上で、甲宅に立ち入り、Aを立会人として捜索を実施し、覚せい剤や電子計量器などを差し押さえた。更に捜索を進めたところ、甲宅リビングルームのテーブル上に、甲が野球賭博を開張していたことを示すノートが発見されたことから、司法警察員は、Aにノートの提出を求めた。ノートは甲の所有物であったが、Aは司法警察員にノートを任意に提出し、司法警察員がこれを領置した。捜索終了後、その日のうちに、司法警察員は甲が帰宅した旨の情報を得たことから、直ちに甲宅に赴き、玄関から甲宅に立ち入り、在宅していた甲に逮捕状を示して通常逮捕した。翌日、Aは、甲の了解を得ずに前記ノートを提出したことを後悔し、前記ノートを返還するよう司法警察員に請求した。
公式解答
21222
正誤・解説
ア /
下線部①につき、覚せい剤や電子計量器などが甲の所有物である場合には、甲に捜索差押許可状を示していない以上、司法警察員がこれらの物を差し押さえることは違法である。
説明では、捜索差押許可状は「処分を受ける者」に示せば足り、差し押さえる物の所有者が甲であっても、甲に示していなくても直ちに違法とはならないとしている。
根拠条文:刑事訴訟法110条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法222条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法110条―現行条文本文
第百十条
差押状又は捜索状は、処分を受ける者にこれを示さなければならない。
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刑事訴訟法222条第1項―現行条文本文
第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十五条、第百十八条、第百十九条、第百二十条第一項、第百二十一条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項から第三項まで並びに第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)について、第百五条の二、第百十条、第百十一条第三項、第百二十条第二項及び第三項並びに第百二十三条の二第一項の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)について、第百十条、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。
ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
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イ /
下線部①につき、仮にAが不在であり、甲宅に誰も在宅していなかった場合でも、立会人なくして捜索することは違法である。
説明では、住宅の捜索では住居主宰者等を立ち会わせるのが原則で、それができないときは隣人又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならないとしている。
根拠条文:刑事訴訟法114条第2項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法222条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法114条第2項―現行条文本文
前項の規定による場合を除き、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状又は捜索状の執行をするときは、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代わるべき者をこれに立ち会わせなければならない。
これらの者を立ち会わせることができないときは、隣人又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。
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刑事訴訟法222条第1項―現行条文本文
第九十九条第一項、第百条、第百二条、第百三条から第百五条まで、第百十条、第百十条の二前段、第百十一条第一項前段及び第二項、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十五条、第百十八条、第百十九条、第百二十条第一項、第百二十一条第一項及び第二項、第百二十二条、第百二十三条第一項から第三項まで並びに第百二十四条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条、第二百二十条及び前条の規定によつてする押収又は捜索について、第百十条の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)について、第百五条の二、第百十条、第百十一条第三項、第百二十条第二項及び第三項並びに第百二十三条の二第一項の規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条の規定によつてする電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)について、第百十条、第百十一条の二前段、第百十二条、第百十四条、第百十八条、第百二十九条、第百三十一条及び第百三十七条から第百四十条までの規定は、検察官、検察事務官又は司法警察職員が第二百十八条又は第二百二十条の規定によつてする検証について、それぞれ準用する。
ただし、司法巡査は、第百二十二条から第百二十四条までに規定する処分をすることができない。
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ウ /
下線部②につき、任意提出を行うことができる者は、所有者又は所持者に限られるところ、所持者とは自己のために当該物件を占有する者であるから、司法警察員がAからノートを領置したことは違法である。
説明では、被疑者以外の者が遺留した物や所有者・所持者・保管者が任意提出した物は領置できるとしており、Aが任意提出した以上、違法とはいえない。
根拠条文:刑事訴訟法221条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法221条―現行条文本文
第二百二十一条
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。
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エ /
下線部③につき、既に甲宅に対する捜索が終わった後であるから、甲宅に立ち入るためには、甲又はAの了解が必要である。
説明では、居宅などの捜索で必要があるときは左の処分ができるとされ、同条3項によりその処分に令状は不要とされているため、甲又はAの了解は不要である。
根拠条文:刑事訴訟法220条第1項第1号・e-Govで法令を開く刑事訴訟法220条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法220条第1項第1号―現行条文本文
一 人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内に入り被疑者の捜索をすること。
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刑事訴訟法220条第3項―現行条文本文
第一項の処分をするには、令状は、これを必要としない。
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オ /
下線部④につき、任意提出物を領置した場合には、提出者から還付を請求されると直ちに還付する必要がある。
説明では、領置物は所有者・所持者・保管者又は差出人の請求により決定で還付することができるにとどまり、直ちに還付しなければならないわけではない。
根拠条文:刑事訴訟法123条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法123条第2項―現行条文本文
押収物は、所有者、所持者、保管者又は差出人の請求により、決定で仮にこれを還付することができる。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
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